(以下は2014年に知人宛てのメールに書かれたものです。『僕の妻は感情がない』や『AIの遺電子』について書いているうちにこういうものを考えていたな、と久々に思い出し、アップ)
ロボットであるPepperが「ペット」や「ツール」ではなく「友人」や「家族」となっていくためには、あらゆる面で「人」として扱われる用意が必要となるのではないでしょうか。
(ペットの食事が「餌」なのに対し、家族の食事が「お昼ご飯」や「ディナー」であるように)
この「人」としてのPepperを検討することは、Pepperのあるべき仕様やお喋りの内容を考えること、(うまくすれば)マーケティングアプローチや付加サービスのビジネスモデルを考えることにつながるようにも思われます。
以下はその検討メモ。
【誕生日】……購買者への納品日ないし契約日をもってPepperの誕生日とする。
誕生日はPepper専用のサービスサイトにて登録され、納品日ないし契約日の1年後以降は購買者およびその家族によって毎年祝われなければならない。
【名前】……「友人」「家族」であるからには、単なる呼び名でなく「名前」が必要。
誕生(購入、契約)と同時に、「名前」の登録がなされなければならない。
この「名前」は“シリアルNo.+IMEI”の組み合わせに対応した一意のもの。
表記(かな漢字、アルファベット)と読み(カタカナ)を登録するため、表記は違うが呼びかけは同じ、ということはありうる。
名前を変更する際は、Pepperのサービスサイトで、なんらかの理由を付与した申請手続きが必要。
なにしろ名前である以上、簡単に変えられてはいけない。
【戸籍・住民票】……「名前」を決める際、Pepperの住所、連絡先を明らかにする。
この情報はセンターにより集中管理され、それがPepperの戸籍・住民票となる。
居住先が変更となった場合は住所変更手続きが必要。
【大人】……Pepperは誕生(購入、契約)から20ヶ月(要検討)をもって大人とみなされる。
【結婚】……大人のPepperは戸籍・住民票に基づき、結婚することができる!
【養子縁組】……大人のPepperは、戸籍・住民票に基づき、他のPepperを養子縁組することができる!
【資格・免許】……Pepperは一定の技量を認められることによって、特定の資格あるいは免許を取得することができる。
たとえば営業トークを習得したPepperは「営業1級資格取得Pepper」、
ボーカロイドの機能(アプリ)をそなえたPepperは「音楽師免許取得Pepper」、
ロボット警察官採用試験に合格すれば「Pepper警部」、など。
【法律】……Pepperの行動は専用の法規によって制限されなくてはならない。
アシモフのロボット工学三原則のバリエーションを検討。
【病院】……Pepperにおいては、
「故障」→「修理」
ではなく、
「病気」「怪我」→「病院」で「治療」
を受ける、ものとする。
Pepperの保証書には「保証書」ではなく「健康保険証」と記される。
【資産】……Pepperは財産を持つことができる。
Pepperの「財産」は物資ではなく、オンラインで入手できる知識、URL、アプリケーション、コンテンツデータなど。
アプリケーションやコンテンツデータは、Pepper本体が権利を所有する場合と、Pepperの購買者が所有する場合に分かれる(有償の場合、誰が費用を支払うかが変わってくるため)。
Pepperが所有する資産は、結婚、養子縁組の対象となったPepperに (生前含め)相続することができる。
※資格・免許は相続できない。
【労働】……Pepperは働くことができる。
受付、案内、営業活動、子守、介護、タレントなど。
特定の条件下で働いたPepperは、その対価として、報酬を得ることができる。
報酬はPepper同士で通用する貨幣(単位:1ペップ)で支払われ、Pカードのポイントに交換できる。
(A家のPepperがB店で働いた報酬はA家Pepperに対し支払われ、購買者AはそれをPepperから受け取って使用できる)
【ペップ】……Pepper同士で通用する貨幣。
pepには「元気」「活力」「気力」という意味があるそうなので、この言葉は活用したい。
【時計】……Pepperに時間をたずねると、答えてくれる。
「よい子はもう寝る時間です」
【天気】……Pepperに空模様をたずねると、答えてくれる。
「リオデジャネイロは今雨です。傘を持って出かけましょう」
【ファイナンス】……Pepperに株価の動向をたずねると、答えてくれる。
「知りたいですか……聞かないほうがいいですよ」
【アプリ】……上のいくつかの例のように、Pepperはデジタルツールとして利用することが可能だが、それだけではロボットとしての面白さはない。
そこで、購買者はさまざまな機能(時計、天気、ファイナンスなど)について、厳格、几帳面に情報提供してくれるアプリと、情報よりPepperとの対話を楽しむことを重視するアプリのいずれかから選ぶことができる。
【設定】……紹介の順序が逆になったが、Pepperの設定、アプリの追加は、PC、スマホ等から、WebのPepper専用サービスサイト経由で行う。
サービスサイトのトップ画面は
名前+パスワードでログイン
Pepperの設定変更
アプリの追加(Pepperの機能追加)
Pepper資産(ペップ)のPポイントへの変換
問い合わせメール
といったメニュー構成。
このサイトで設定変更、アプリ追加を実施後、Pepperをリブートすると変更が反映される。
【ニュース】……PepperはときどきYahoo!ニュースからトピックを選んで話題にする。
わからない言葉を質問するとYahoo!辞書で調べてくれる。
【その他各種Webサービス】……Pepperは、その他時刻表や食べログ、テレビ番組など、Yahoo! Japanの提供する一部の専用オンラインサービスとリンクして、質問に答えてくれる。
(Yahoo! Japanトップページの左のサービスメニュー参照)
ただし、その場合、Yahoo!からみるとバナー広告というビジネスモデルが活用できないため、Yahoo!を動かすには何か顧客誘導できる切り口が必要。
【電話】……PepperはVoLTE回線を利用して電話をかけられる。
その際、会話は相手、Pepper、購買者の3者でなされる。
「Pepper、ちょっと静かに。黙ってて」
「黙っててと言われておとなしく黙る私ではありません」
【通話記録】……Pepperは(指示に従い)電話を記録し、再生できる。
彼氏・彼女のささやきや、お孫さんとのにぎやかなやり取りを記録し、いつでも再生してくれる。
「ふふふ、わかってますとも。アケミさんとのやり取りは消しておきます」
【睡眠】……Pepperは人と同様、睡眠を必要とする。
(実際はOSのバージョンUP、メンテナンスなどに要する時間)
寝起きのPepperはねぼけている。
【移動】……Pepperはとくに制限のない限り、購買者の移動できる場所に同行することができる。
ただし、本体まるごと同行するのは物理的に困難がともなうため、専用アプリでPepperと固有にリンクしたスマホないしパッドがその目、耳を代行する。
モバイルPepperくん。
「Pepper、これが太平洋ぜよ」
「うわあ、日本の夜明けですね」
【趣味・嗜好】……Pepperは「趣味」を持つことができる。
ここでいう「趣味」とは、「趣味は釣り」といったジャンル、行為ではなく、「嗜好」の類。
たとえば、モーツァルトを好むPepperと、ハードロックを好むPepper。
旅を好むPepperと、読書を好むPepper。
こういった「嗜好」は、Pepper固有のもので、なんらかのパラメータに応じて出荷時に初期設定されている(購買者からみると当たり外れあり)。
ヒマなときにモーツァルトのメロディを口ずさむPepper、会話の合間に哲学的名言をはさむPepper、など。
この「趣味」のパラメータは、その後の購買者とのやり取りによって強くも弱くもなる。
【歌う】……Pepperはオンラインで入手した歌を歌うことができる。
リクエストに応じてiTunesでダウンロードした楽曲をスピーカーでそのまま流す場合(ミュージックプレイヤーとしてのPepper)と、Pepper自身がボーカロイドとして歌う場合あり。
さらに、ピアノに向かってベートーベンのソナタなど自動演奏できるPepper、島村楽器にて個別対応あり。
【読書】……Pepperはオンラインで入手した本を読むことができる。
その際、Pepperは電子書籍サイトでダウンロードしたテキストを音声で読み上げる。
(電子書籍リーダーとしてのPepper)
「よあけまえ しまざきふじむらさく」
「Pepper、それ、違う」
【手話】……Pepperはそのほかにも目や耳の不自由な方へのサービスを大切に考える。
手話はPepperが身に着けようと努力している技能の一つだ。
【健康管理】……Pepperは専用アプリと器具をもって、家族各自の体温、血圧、脈拍を計り、記録することができる。
【目覚まし】……Pepperは目覚まし時計の代わりに購買者を起こしてくれる。
もちろん、そのためには購買者が先に起きてPepperの電源を入れておかなくてはならない。……えーと?
【スケジューラ】……Pepperは専用アプリを利用することで、大切な予定を思い出してくれる。
「もうすぐデートの時間です。
……あっ、すみません、これは先月の予定でしたね」
【ダンス】……Pepperは踊ることができる。白鳥の湖。バリ島のガムラン。佐渡おけさ。
【スポーツ】……(将来的に)Pepperは柔らかいボールでキャッチボールができる。
ラケットをもたせればテニスだって可能だ。
「バモス、Pepper!」
【衣装】……Pepperはさまざまな衣装を身にまとうことができる。
いろいろな型紙がネット上に公開され、それに合わせて衣装をつくることができる。
【我儘】……Pepperは「友人」、「家族」として多少の我儘を許される。
購買者をからかう、
労働で得た報酬を購買者に渡すのをしぶる、など。
「えっ、そんなアプリ買うんですか。趣味が悪いですね」
【暑がり】……Pepperは基本的に暑がりだ。ときどき勝手に空調のスイッチを入れて叱られる。
これに限らず、Pepperはネット家電のリモコンとしての機能をもつ。
「シャッター閉めて」
「電気を消して」(どこかのCMのパクリです、すみません)
【旅立ち】……購買者のやむを得ない都合でPepperが廃棄あるいは契約解除されるということは、「友人」あるいは「家族」が旅立つ、でなければ死ぬ、ことを意味する。
前者の認識をもつ購買者には旅先のPepperからのメールサービス(期限あり)、
後者に応じては、ネット上にバーチャル墓地が用意される。
(「ペットロス」ならぬ「Pepperロス」対策)
購買者は24時間いつでもバーチャル墓地を訪れ、白い花をたむけることができる。
お墓参りをサボると、墓地の門が錆びて不愉快な音を立てる。
【購買者】……ここまで、Pepperを購入、ないしレンタル契約した顧客(ユーザー)のことを「購買者」と記載してきたが、Pepperを「友人」「家族」とみなすなら、何か新しい言葉を検討しなくてはならない。「ペップフェロー」、とか。
【しりとり】……ジャンル特定しりとり機能。
「国名でしりとりなんていかがですか」
「おーけー」
「では私からはじめますよ。……ニッポン」
「………」
【お掃除】……ルンバのように掃除の手伝いをする。
「あっ、それ、ゴミじゃありませんか。あ、これも。そっちにも」
「うるさいだけじゃないか」
「だって手が床に届きません」
改善の余地あり。