考えごとに煮詰まって。あるいは何も考えたくない真夜中。パズルで遊んで気分転換することがある。
好きなのは漢字ナンクロだ。
クロスワードに似た黒マス白マスの枠の中に、漢字と、番号を添えた空白が並んでいる。
たとえば一方に
[京][5]
もう一方に
[5][心]
とあれば、[5]には[都]の漢字が当てはまるかな? といった具合。そこでページ内の別表の[5]の欄に「都」と書いておく。
[12][剋][13]
とあればおそらく[12]が[下]、[13]が[上]で間違いないだろうが、
[24][粧][25]
の場合、[24]はおそらく[化]、しかし[25]は[品]とは限らず、[水]、あるいは[下]かもしれない。ほかのマスの[25]を見極めなくては。
ヒントの漢字が少なければ少ないほど、つまり空欄が多ければ多いほど、難易度は上がる。
わかりやすい熟語、「生年月日」だの「大道芸人」、「記者会見」、「後生大事」、「天地無用」だのが見つかると、そこをとっかかりに解き進むことができる。
以前、見開きのページにヒントとなる漢字が1つだけ、という素晴らしい難問を見たことがある。歯が立たなかった。
漢字ナンクロは書店の雑誌コーナーあたりに、女性週刊誌くらいの大きさ、分厚さでたくさん売られている。
いろいろな会社からさまざまなシリーズ名で出ており、パラパラめくったくらいでは品質の区別がつけにくい。
たいてい漢字ナンクロを含む何種類かの漢字パズルで構成されており、易しめで始まって後半に向けて難しくなる。
1冊を通してあまりに易しいものは、パズルというよりマス埋め作業になってしまってつまらない。
また、作問者によってはマスを埋めるために無理やりその漢字を使う言葉を使っているように見えるものがあって、そんな問題が多いとがっかりする。
「得法」……禅などの奥義を会得すること
「法城」……仏法が堅固で信頼すべく、また諸悪を防ぐことを、城にたとえていう
「手理」……手のひらのすじ。手紋
「通規」……すべてを通じて適用される規定。通則
「下代」……下役。手代。江戸時代、江戸郷宿(ごうやど)に雇われた手代で、訴訟当事者を補佐する者
上記はiPhoneやWindowsの変換では出てこなかったり、普通の国語辞書には項目がなかったりする言葉。
現代ではほとんど見かけない仏教用語や歌舞伎用語を広辞苑や大辞林で確認できても、あまり嬉しくない。
それから、不思議なのは、先の「生年月日」~「天地無用」、あるいは
「本家本元」
「天下一品」
「年中行事」
あたりまでならまだしも、ともかく頻出する謎の熟語群。
これら、日常生活ではあまりお目にかからない熟語群は、出版社やシリーズを問わず、1冊の中でも再三顔を出す。
「人生行路」
「道学先生」
「意地無地」
「明日天気」
「行雲流水」
「金明水」
「家大人」
「人国記」
「車中談」
「道中記」
作問者向け漢字ナンクロデータ集みたいなものがあるのだろうか?
その他、
「一衣帯水」
「鏡花水月」
「花天月地」
「山高水長」
「知行合一」
「世道人心」
「気韻生動」
「風流韻事」
「無芸大食」
「化石人類」
「同行二人」
なども普段はあまり使われないが漢字ナンクロではお馴染みの四字熟語。
意味を調べ、言葉として記憶したとしても実生活で使う局面はまずなさそうなので、漢字ナンクロ専門用語として手元にメモしておくといい。
最後になったが、添付画像はコスミック出版の「特選 漢字100問 8月号」(隔月刊)。
各社のシリーズに詳しいほど取捨選択できているわけではないが、遊んでみた限りではこの出版社の「特選」シリーズ、同じ出版社の「特盛り!」シリーズがほどよく手応えがあり、極端にマイナーなキーワードもそう出てこないので気に入っている。
ただし。漢字ナンクロというのは、同じ作問者の出題を繰り返すと同じキーワードが登場して答えが見えやすくなってしまう面がある。
同じシリーズを続けて購入すればよいわけでもないのが悩ましいところだ。