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2026/02/16

『怪物の森 未解決事件捜査官ヴァン・リード』 ジェス・ロウリー、北 綾子 訳 / 新潮文庫

Photo_20260216175901 新潮文庫は王道を貫く。
文芸大作なら文芸大作、長編ミステリーなら長編ミステリー、ノンフィクションや実験的な作品ならそれなり。
この信頼は(個人的に、だが)この60年変わらない。

その新潮文庫の長編ミステリーを、久しぶりに読んでみようと思った。

  「42年前に失踪した少女はなぜ今生き埋めにされたのか」
  「未解決事件捜査官と科学捜査官が挑む!」

この帯の惹句で、つまらないわけがないではないか。
主人公のヴァンはカルト集団で虐待されて育ちトラウマに苦しむ捜査官、生き埋め事件と42年前の失踪事件とのかかわりは。

・・・読了後。

面白い、面白くないはさておき、これは、「ミステリー」ではない。
しいていえばB級映画に向いた「サスペンス」の一種であることに間違いはないが、
むしろいわゆる「バカミス」の類ではあるが、書き手に「バカミス」の自覚はないようだし・・・

そこでようやく気がついた。
本書のカバーや帯に散る長いタイトル、煽り文、あらすじ、著者紹介、巻末の吉野仁氏による解説、さらには折り込まれた新刊案内の紹介文にいたる、さまざまなテキストの中に、実は「ミステリー」」とは一か所とて紹介されていないのだ。

本書をして「ミステリー」としない、新潮文庫の変わらぬ矜持を見た。

でも、「バカミス」なんだけどね。




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