霊がささやく。《いばらぎ》ではなく・・・ 『茨城怪談』『埼玉怪談』『千葉怪談』 / 竹書房文庫
しばらく実話怪談系を追いかけてなかったら、その隙に竹書房文庫から都道府県限定、地域密着型の怪談集が大量に出されていた。ご当地アイドル、ゆるキャラみたいなものか。
『北海道怪談』『山形怪談』『仙台怪談』など北の国から『鎌倉怪談』『静岡怪談』の太平洋側気候まで、あれこれお国自慢がまとめられている。
『奥羽怪談』のように地方で1冊、もあれば『八王子怪談』『川崎怪談』のように一つの都道府県中でさらに地域を絞ったものもある。F社研究所のセキュリティドアの奥に巣くうアレなんかどうだ。
とりあえず駅ビルの本屋で3冊、近場の県のものを選んで買ってきた。
『茨城怪談』 影絵草子
『埼玉怪談』 幽木武彦
『千葉怪談』 牛抱せん夏
内容は具体的な地名や公園、寺社仏閣などの名をあげたものから、場所を特定されないようそっと声をひそめたものまで。
埼玉についていうと、自分がかつてその近所に住み、そこそこ有名だったオカルトスポットがいずれも載っていない・・・
まあ、埼玉といっても広いので、仕方ないしょうがない。ざんねんむねん、またらいしゅう。
『千葉怪談』はこの3冊の中では一つの怪談の「因果」にあたる部分、「応報」にあたる部分、いずれもハンパなく陰惨な話が多く、なんとなく血生臭いイメージが残った。説明のつかないモノを目撃した、で終わることの多い実話怪談の中で、この血生臭さは心地よい。
茨城は、訪ねたことのない地名が多く、いっそ地名の説明などないほうがかえって「怪談」として記憶に残りやすいのでは、なんてことを考えた。
地域限定ならではの難しさか。
こうして全国の怪談をまとめていくと、そのうち、「これこれのような話は全国で聞くが、なぜこの地方でだけ最後が違う?」とか、「この怪異が見聞きされた場所と年代を表にしてみると、この三十年、だんだん〇〇に近づいてきている!」とかいったことが明らかになるのだろうか。そうなると面白い。
たとえば都道府県境を越えてあちこちに出没する首なしライダー、その向かう先は! とか。
近畿、中国、四国、九州はこれから無事発刊されるのだろうか。もちろん既刊の売れ行き次第なんだろうが、読みたい都道府県がいくつかあるので発刊が楽しみだ。
ちなみに四国の実家のすぐ裏手には、追いつめられたお姫様が崖から飛び降り、その幽霊が出ると噂されるお城があるのだが(UFOの基地としても有名)。
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