フォト
無料ブログはココログ

« イエスタデイ・ワンス・モア 『オリオンラジオの夜 諸星大二郎劇場第2集』 諸星大二郎 / 小学館 | トップページ | 和解への遠い道のり 『不気味な物語』 ステファン・グラビンスキ、芝田文乃 訳 / 国書刊行会 »

2019/02/18

もう良か 『最後のレストラン(12)』 藤栄道彦 / 新潮社 BUNCH COMICS

Photo「懐かしさ」「やるせなさ」との感想に続いて、『最後のレストラン』新刊に感じたのは、隠しようのない「すさみ」のようなものだった。

前回も書いたが、『最後のレストラン』は、偏屈で厭世的なシェフの商うフレンチ・レストラン「ヘブンズドア」に毎回死を目前にした歴史上の偉人がタイムスリップして現れ、彼らが満足する人生最後の一皿を提供しなければならない──という設定。
今回はフィリピンの革命家ホセ・リサール、西郷隆盛、明智光秀、マケドニア王アレクサンドロスⅢ世の4人が登場する。

ストーリーはいずれもギャグを刻んだなごみ系、人の道を説いて前を向き、ある意味道徳の教科書的ですらある。作者は熱意と努力をもって歴史上の人物を調べ、コマ中にその人物の業績と思いを焼き付ける。

──にもかかわらず、いくつかの章を読み終えて残るこの殺伐とした、すさんだものはなんだろう。

決して作者のせいではない。
登場する人物はいずれも歴史上の偉人ではあっても、その死は必ずしも満足な状況下にはない。むしろ敗北や裏切りを受けての屈辱的なものであり、最後の食事に満足しても無念の死であることに変わりはない。

「ヘブンズドア」で供される最後の食事、置き換えればそれは「末期の水」だ。
世界に相対し何かを成し遂げんとした人物であればあるだけ、志半ばに死を迎えたときに口に含む末期の水ははたしてどのような味がするものか。

作者はその水を甘露たれ、と祈る。描く。だが、、、、

« イエスタデイ・ワンス・モア 『オリオンラジオの夜 諸星大二郎劇場第2集』 諸星大二郎 / 小学館 | トップページ | 和解への遠い道のり 『不気味な物語』 ステファン・グラビンスキ、芝田文乃 訳 / 国書刊行会 »

コミック(作品)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« イエスタデイ・ワンス・モア 『オリオンラジオの夜 諸星大二郎劇場第2集』 諸星大二郎 / 小学館 | トップページ | 和解への遠い道のり 『不気味な物語』 ステファン・グラビンスキ、芝田文乃 訳 / 国書刊行会 »