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2018/12/17

大団円 『そこをなんとか』(最終15巻) 麻生みこと / 白泉社 花とゆめCOMICS スペシャル

15素晴らしい。

相続、親権、結婚詐欺、少年犯罪、自己破産、民事再生法、不当解雇、モラハラ、などなど、さまざまな法律事務、訴訟に片をつけてきた『そこをなんとか』、最終巻では(表紙にあるので書いてしまうが)「薬害訴訟」「弁護団結成」というこれ以上ない大ネタ。主人公楽子の成長も感じられ、モヤっていたアチラのほうもきっちりランディングして、ダイ・ダン・エーン!!

ということで、褒めよ讃えよで終わればよいものを、ついつい細かいことまでつついてしまうのがカラスの悪いくせ。
麻生みことファンの方はこの後は読みませんように。

たとえば、有能、優秀、とこれ以上ないほどに切れ者扱いされてきた先輩弁護士東海林の、今回の扱い──もう少しなんとかならなかっただろうか。
いや、もちろん東海林が勝ったのでは話にならないし、テレ朝「リーガルV」の向井理、NHK「炎上弁護人」の小澤征悦らの例を引くまでもなく、ヒロインの元パートナーのエリート弁護士なんて毎度こんな扱いなのだけれど。

も一つ、これはこの作品の最初からずっと靴下の中に入り込んだ砂粒みたいに気になっていたこと。
楽子が司法試験を受けるための収入源としてキャバ嬢だった──この設定は必要だっただろうか。外国人を含む大勢と同居、という設定も、生かす生かさないの前に妥当だったかどうか。
キャバ嬢であったことが最終巻の薬害訴訟の伏線となった、これはわかる。だが、そもそも、男女の機微に疎い楽子のキャラとキャバ嬢という仕事がかみ合わない印象が強いのである。
(ちなみに薬害訴訟の準備の中で楽子は現役キャバ嬢たちを「彼ら」と呼び、彼女たちから「先生」と呼ばれて訂正しない)。

作品中随所にみられる楽子の自問自答、心の中のボケ、ツッコミでいえば、

  あたしが夜の嬢? ないない
  誰があたしに金落とすって?

こちらが自然な気がする。
そう、不自然なのである。

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