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2018/04/04

漆黒 『蟇の血』 近藤ようこ、『フラジャイル(11)』 恵 三朗

黒いマンガを、2冊。

Photo『蟇の血』 近藤ようこ、原作 田中貢太郎 / KADOKAWA BEAM COMIX

田中貢太郎による原作は創元推理文庫『日本怪奇小説傑作集』の第1巻に収録されている。そのままでも十分気色悪いが、転がるような展開の中に読み手の想像力に委ねる部位がまだ微かに残され、どこかしらファンタジーの気配があった。
近藤ようこはその原作に忠実にストーリーを展開しながら、妖異を描くことに容赦がない。
追い詰められる悪夢のようであり、また悪い夢では片付かない絶望感。
この十年、二十年に読んだマンガの中でも図抜けて気持ちが悪い。怖い。

『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見(11)』 原作 草水 敏、漫画 恵 三朗 / 講談社 アフタヌーンKC

容赦ないといえば『フラジャイル』の新刊も凄い。
かつて新薬の開発をめぐって主人公と対立した元・製薬会社の幹部を主人公に、医薬界のダークサイドを描く。
描かれる「黒」は、色の三原色を混ぜ合わせることでできる濁った黒ではない。漆のような、まごうことなき「黒」であり、それはもはや敵味方、善悪などという生ぬるい評価とは途絶したところで読み手を魅了する。
スピンオフという扱いらしいが、ある意味、(子供の病気を扱った一つ前の巻などよりよほど)このシリーズを代表する1冊かと思う。

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