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2017/04/18

『夢十夜』 原作 夏目漱石、漫画 近藤ようこ / 岩波書店

Photo岩波書店について、少し前に

校閲部門のほうが編集部門より発言力が強く、古典には圧倒的に強いが新規な企画、製作の動きは重い

と書いた。
驚くなかれ、近藤ようこの新刊『夢十夜』は、その岩波書店発行である。
岩波がマンガ! という言い方もできようし、なんだやっぱり岩波、マンガを出すにも漱石か、との見方もできる。

作品そのものは文芸作品をマンガ化した作品としてたいへん素晴らしい出来で、漱石の、あの、業の深い、あるいは頓狂な掌編集を違和感なく描き上げ、原文の一部を過不足なく配置し、しかも一つひとつのコマにあるのはあくまで近藤ようこの朴訥かつ妖しいペン遣いである。
二度三度読み返すと、もう百年百合や背負った盲目の子供やパナマ帽は大昔からこうであったようにしか思われない。

我儘を書いておこう。
近年(一連の坂口安吾作品のマンガ化以来)、近藤ようこの新作はこの『夢十夜』しかり、『死者の書』『五色の舟』しかり、誰か別に原作者をもつものが少なくない。いずれも高い水準にあると体の半分は認めるのだが、それでも同じ近藤ようこを読むならストーリーから台詞からすべて彼女の手になる作品を読みたい。
近藤ようこの描くものは、原作原案などなくとも、安吾や折口や漱石に劣らず十二分に親しく怖ろしいのだから。

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