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2016/12/02

〔短評〕 『ベイビーステップ』(42巻) 勝木 光 / 講談社コミックス

Photo強いときはめっぽう強いが肝心なところでコロコロ負けてしまう、加えて劣勢に立つと不機嫌さが安易に表情や挙動に出る、この2点で錦織圭って実は稀勢の里に似ているんじゃないか。
せっかくフェデラーがいないのに、ATPファイナルの決勝は今年も結局マレーvs.ジョコビッチ。2010年からの7年でビッグ4以外で決勝に進んだのは2011年のツォンガただ1人。マレーやジョコが強いのはわかるが、さすがに何年も同じ顔触れの決勝ばかりでは飽きる。日本人でなくていいから、あっと目を見張る新星の登場を期待したい。

というわけでついついマンガに走ってしまうわけだが、この『ベイビーステップ』の新刊が面白い。

描かれているのは慶稜チャレンジャー国際テニストーナメント本戦1回戦、丸尾栄一郎vs.王偉(中国)の試合開始から第2セット終盤まで。ほとんど全ページ試合場面。
その試合の描写が、凄い。
丸尾も王偉もクレバーなプレースメントプレイヤーであり、その読み合いがほぼ全ショット、戦略的に描かれているのだ。単行本1冊にわたってこれだけ一つひとつのコマに相互のプレイヤーの意図をこまごま明記した作品は記憶にない。とくに丸尾がフォアのダウン ザ ラインをここぞというリターンゲームまで我慢し、王偉がそれを想定するのを見切ってなおもフォアのクロス、いざダウン ザ ラインを使ってセットを奪えば王偉はプレイスタイルを変え……といった攻防が実にリアルで本を持つ手に力が入る。ぐむむむ。

ただ、丸尾が疲弊した最後の数ページは少し残念。もちろんメンタルコントロールは重要だろうが、ここまで戦略的な展開で「気力の元」はあんまりといえばあんまり。

おまけ。
錦織はしばらく(ハードヒットできる場面での)ドロップを封印すべきではないだろうか。ラリーが押し気味になってもなかなかポイントが取れないときの苦し紛れにしかなっておらず、トータルで数ポイント稼げたとしても、ドロップのミスから相手につけこまれ、ゲーム、セットを落とす場面をよく目にする。少なくともマレーやジョコらビッグ4レベルに「前後の攻撃」はあり得ても「姑息な攻撃」は通用しない。

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