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2016/06/22

ホンット外面いいよね 『そこをなんとか』(現在11巻まで) 麻生みこと / 白泉社 花とゆめCOMICS スペシャル

Photoとくに事件とは関係ないダジャレや耳を触る癖やプロレスネタや料理ネタや不自然なドタバタを削ってしまうと果たしてどれほどのものが残るのだろう──と思われた某ドラマに比べ、段違いに読み応えのある弁護士ドラマである。

単行本の最初の数冊は、新司法試験で弁護士数が激増したため就職に苦戦する(そのくせ成り上がり志向の強い)主人公改世楽子や、優秀ながら大手事務所を不祥事で退職した先輩弁護士東海林弘明のエキセントリックさばかり目立ち、ちょっと読むのがつらい面があった。

11巻まで通して読み返し、感じることは、キャラクター紹介が落ち着くとともに脇役たちの立ち位置含め、全体が安定してきたこと、そして、マンガというメディアはこんなにも軽々と「大人の事情」を描けるようになったのだな、ということだ。

相続、親権、結婚詐欺、少年犯罪、自己破産、民事再生法、不当解雇、モラハラ……。
この作品で取り上げられたもめごとの多くは、いずれも主人公の正義感や法令知識、あるいは些細な思い付きで方が付くほど簡単なものではない。事件の裏には軽重問わず大人の事情があり、弁護士としてそこに気が回らなければ解決は難しく、一方それに目をつむる程度の如才なさも兼ね備えていなければならない。

難点をいえば大人を大人として描く以上、楽子たちも清廉潔白なマンガのキャラクターではおさまらないことで、その分ピュアにのめり込む読み方はできなかった。
作品としてこれほど評価しつつ、楽子や東海林にまったくファン意識の沸かない自分が不思議なほどだ。

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