萩尾望都をめぐる雑感 その2 「ポーの一族」40年ぶりの新作
萩尾望都について、引き続き。
一部すでにほかで公開している内容とかぶっているが、ご容赦ください。
☆彡 28日発売の小学館発行「月刊フラワーズ」2016年7月号に、「ポーの一族」シリーズの短編「春の夢」が掲載された。
同じ小学館の「別冊少女コミック」1976年4月号~6月号に掲載された「エディス」以来、約40年ぶりの新作ということになる。
☆彡 「春の夢」のクオリティについては、多くは語りたくない。以下はあくまで私見。
初期作品における登場人物たちのシャープな目線の交錯は影を潜め、悪い意味で「お人形の目」のようだし、コマ割りは凡庸、エドガーやアランの表情は平坦で神秘性に欠け、永遠の時を生きる一族の末裔とはとても思えない。
ストーリーの背景にはナチスによるユダヤ迫害があるが、そうした歴史の重みを伝える重厚さにおいてもかつての「グレン・スミスの日記」に遠く及ばない。

☆彡 下記は最近自宅の書棚を整理した際に箱から出てきた、雑誌初出時の「ポーの一族」シリーズの表紙一覧。
☆彡 連載時の「メリーベルと銀のバラ」は作者にとって物足りなかったのか、単行本では加筆訂正とかいうレベルでおさまらない大量のコマの描き足し、描き直しがなされている。
「別冊少女コミック」1973年1月号のページとそれにあたる単行本のページを並べてみた。ほとんど別作品である。

☆彡 ただ、(これも私見である、念のため)描線の“ゆるみ”は次作の「小鳥の巣」においてすでに始まっていたように思われる。
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