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2016/05/30

『竜の夢 その他の夢 夢みる惑星ノート』 佐藤史生 / 復刊ドットコム

Photo佐藤史生の資質を漢字一文字で表すなら、「理」だろうか。

その傾向はたとえばディーバ(魔)とディジタル処理の相克を描いた『ワン・ゼロ』やその続編に顕著だが、それ以外の作品においても彼女の意識が尋常ならざる理知のフィールドに向いていたことが窺える。

とはいえ、作品を読む限り、肩肘を張る必要はない。
代表作の1つ『夢みる惑星』など、古代火星から移り住んだ人類が大陸変動の危機をいかに免れるか、と、スケールこそ大きいが要は種族の危機を前にしてのイケメンと美形の心理合戦だ。ファンタジーとしてその展開に一喜一憂し、硬質なペンタッチとセリフに胸を焦がせばよい。

佐藤史生は2010年4月、57歳の若さで脳腫瘍で亡くなった。存命ならまだまだ、きっと、と惜しまれてならない。

『竜の夢 その他の夢 夢みる惑星ノート』は、復刊ドットコムによる「佐藤史生コレクション」の1冊。2013年復刊。
『夢みる惑星』のカラーイラスト集、続編「雨の竜」(イリスとシリンの子供が登場する!)、制作についてのQ&A、エッセイ、短編「美女と野獣」などを合わせた合本である(ただし『夢みる惑星』の前日譚「星の丘より」、「雨の竜」の後日譚「竜の姫君」は収録されていない)。

佐藤史生の作品は、一時その多くが絶版だったが、ファンの熱望に応え、復刊ドットコムや電子書籍のおかげで代表作は概ね入手することができるようになった。
未読の方はぜひご覧いただきたい。ほかのどこにもない。誰にも似ていない。

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