『奥の部屋 ロバート・エイクマン短篇集』 今本 渉 編訳 / ちくま文庫
近年じくじく評価の高まりつつあるイギリスの作家、ロバート・エイクマン(1914-1981)のホラー短篇集。
2つのことを書きます。
1つは、数。
49、51、23、47、49、51、57
これ、収録作一つひとつのページ数なのね。まるで50ページにまとめることに依怙地になってるみたい。
もちろん翻訳のせい、もともとの発表の場で語数が決められていただけかもしれない。
けど、これだけ登場人物や設定が異なる作品集で、こんなに揃ってるっていうのは、やっぱりちょっとイヤ。
そうそう、うちにあったほかのアンソロジーに載っていたエイクマンの作品は、1つは50ページに近く、1つはそうでもありませんでした。
読んだ自覚なしにあちこちでエイクマンに触っていたと思うと──そちらのほうが少しイヤかもね。
もう1つ。
英米の女流作家によるホラー・アンソロジー『淑やかな悪夢』(創元推理文庫)に、シャーロット・パーキンズ・ギルマンの「黄色い壁紙」というほんと気持ち悪いのが収録されているでしょ? その「黄色い壁紙」が『奥の部屋』にまじっていないのはなぜ? おかしいでしょ? ……そんな気がするの。
というのも、エイクマンの作品がみょーに女性的だからなのね。それは、お話の一人称が女性だったり、お化けにあたるモノが女性だったりするのもそうなんだけど──それよか、ふつうの毎日がぐんにゃりゆがみ始め、それに気がついてそれでもそこに留まってしまう、そんな主人公の描き方に作者の女性観が現れているような気がします。
だから、そうね、読み手の側にもしなにか女性的なものがあるなら、やっぱり、いつかは出かけることになるのでしょう。
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