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2016/04/01

『さかしま』 J・K・ユイスマンス、澁澤龍彦 訳 / 河出文庫

Photo『さかしま』は、フランスの作家ジョリス=カルル・ユイスマンスによる小説。1884年に刊行され、象徴主義、デカダンスの作品としてポール・ヴァレリーやオスカー・ワイルドなどに影響を与えた。「さかしま」は「逆さま」「道理にそむくこと」といった意味。「デカダンスの聖書」とも評される。

登場人物は(回想シーンなどを除き)ほとんど主人公一人のみである。

主人公は春日部の素封家の息子で、学校を卒業後、オンラインゲームの課金やアイドルCD(のかたちを借りた握手券)の購入などで遺産を食い潰す。やがてそうした生活に飽き、地下アイドルや美少女フィギュアの研究に一生を捧げる決意をする。親の遺した家屋敷駐車場を売り払い、秋葉原付近のマンションの一室にニトリの家具とBRレコーダー4台を揃えて趣味的な生活を始める。

主人公は外出を嫌い、徹底した引きこもり生活を志向するが、FacebookやTwitterなどのSNSには懐疑的である。自分の部屋にアイドル写真集(観賞用と保存用に必ず2冊購入する)、好みのライトノベル、美少女アニメのディスクを集め、艦これ、ラブライブ、ガルパンのフィギュアや抱きまくらで飾り、萌えの楽園を築いてゆく。

やがてジャンクフードの食べ過ぎで肥満が進んだ主人公は、一人オタク芸による腰痛に悩まされ、次第に秋葉原に出ることもできなくなる。ある日、BSで「あさが来た」の総集編を見て普通のサラリーマンとしてやっていくことを決心しマンションを出るが、漫喫に立ち寄ってウシジマくんにはまったあげく結局ハローワークまでたどり着けず帰ってきてしまう。……

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などと書くと、また烏丸めがエイプリルフールに戯言をと思われるかしれないが、国と時代とシュミが違うだけで、『さかしま』のあらすじは概ねこんなもの。嘘だと思ったら読むでござる。姉妹品の『彼方』(創元推理文庫)もお奨め。こちらは黒魔術でOK GOだ。

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