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2015/02/22

乙百合 『乙嫁語り』(7巻) 森 薫 / エンターブレイン BEAM COMIX

7書評に際して作者のあとがきから流用を連発するのは芸もなければ能もない、わかっている。わかってはいるのだが、今回はその一手。

19世紀後半の中央アジアを舞台に、その地に咲き競う乙嫁たちを描く本シリーズ(←このへん、棒読み)、前巻
  戦いと土けむりと血と汗とでドロドロ
だったのに対し、今回は
  裸まみれの風呂マンガ
だ。当然、おっぱいもおっぱい、もとい、いっぱい。ただ、絵柄は昔日の少女小説なオモムキで、ペン先さえ変えて表紙から本編最後まで
  ペルシア名物レモンアイスのようなさっぱり味
である。

「姉妹妻」という風習は日本人には理解の外、それもあってか今回これはいいのか、いくない、との評も見かける。しかし、本シリーズをオムニバスと見なせば各巻ごとにバリエーションがあって当然だろう。
次巻からはまた
  モツ煮込み
に戻るとのことなので今回イマイチだった方は期待しよう。なにしろ次はあのパリヤさん編らしいぞ。カーッ。

それにつけてもメイドが描きたい、馬が描きたい、おっぱいが描きたい、思い立ったらすぐさま描き上げ、その成果が細密かつ読み応えある大河ストーリーとなる、なんというか凄いを超えてただもう羨ましい作者ではある。

(おまけ)
巻末の番外編「熱」は、中年にさしかかる人妻サニラさんが熱を出し、無骨な夫が彼女の寝巻きを脱がせて寝汗をぬぐう、それだけといえばそれだけの話。なのに、濃密。短編・イラストカット集『森薫拾遺集』には「昔買った水着」というタイトルで、人妻が畳の和室で(障子を閉めて)ワンピースの水着を着てみせる、というねっとりした短篇があり、『エマ』の9巻には結婚して8年めのヴィルヘルムとドロテアの子持ち夫婦が朝からベッドでキャッキャウフフする「歌の翼に乗せて」という挿話がある。
三編いずれもたっぷりと凄いので、ベストスリーとして表彰したい。や、何が、と問われても困るが、その。

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» ペルシャの姉妹妻 「乙嫁語り7」 森 薫 [日々の書付]
「乙嫁語り」7巻は、語り部であるスミスの旅とともに、各地の乙嫁さんを紹介するのですが、今回のテーマは女性同士の結婚。ええっΣ(゚∀゚;) でもイスラム教って同性愛禁じてるんじゃなかったっけ…?。 「乙嫁語り7」あらすじ 旅を続けるスミスがペルシャで滞在した館には、少女のような可憐な乙嫁、アニスがいた。やさしい夫、子宝にも恵まれ、何不自由ない暮らしでも、心はどこか満たされない。 そんなとき使用人から「姉妹妻」を持つべきだと勧められる。さっそく姉妹妻を探すべく、女性たちの社交場である風呂屋... [続きを読む]

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