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2014/12/03

最近の新刊から 『鬼灯の冷徹(第十六巻)』 江口夏実 / 講談社モーニングKC

16前回取り上げたのが2011年の12月。もう3年、経ちました。この子はあのときのあなたの……ち、ちがーっ!!

潔白は後で晴らすとして、さて。
本作は参巻発売当時ですでに掲載誌の表紙に抜擢される等、話題作となっていましたが、その後アニメ化されるも原作は浮かれず騒がず背伸びせず、同じ風味を保って読み応え水準高止まり。これは立派。

ごろごろしながら最新刊を読んでいて、ふと気がついたこと。
『鬼灯の冷徹』のコマには心の中で考えたことを示すふきだし──考えた主とふきだしの間を小さな楕円がつなぐ──あれがありません。また、死後の裁判の詳細など、内容の難度が高い割には、作者による説明文、ト書きにあたるものもあまり見当たりません。
作中の文字の大半は、登場人物の、音声で語られた生の言葉、言葉、言葉。知識も状況も、登場人物の名前も役割も、必ず誰かのセリフで紹介されます。
登場人物たちが会話を交わす、あるいは絶叫するうちに、新たな登場人物が八寒地獄の獄卒とわかったり、「一周忌」と「一回忌」の違いが説明されたりするわけです。
要するに、いろいろな意味で直接的。

その結果、本来は何を考えているのかわからないはずの地獄の鬼や妖怪、動物たちが、すべて読み手と極めて近いレイアに固定され、その考えや喜怒哀楽が裏も表もなくダイレクトに伝わってくる。
そのこと自体にとくに優位性はなくとも、少なくとも地獄の沙汰が親しく違和感なく読めるのは、そういった率直性が大きく寄与しているのではないでしょうか。

などなど例によって理屈こねて遊んでしまいましたが、今回は第135話最後のコマの(あの不気味な)座敷童子二人の笑顔がぷにぷにと素晴らしい。ごめんなと素直に謝った唐瓜君も素敵です。

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