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2014/07/21

百年文庫66 『崖』 ドライサー ほか / ポプラ社

Photoかつてフイルムメーカーの広告に「100年プリント」というのがあった。
印画紙に紫外線、温度、湿度など強制劣化試験を施し、100年経っても写真は綺麗なまま、とアピールしたものである。

ポプラ社に「百年文庫」と銘打った新書サイズのシリーズがある。
古今東西の優れた短篇小説を「憧」「罪」「響」「庭」「鍵」など漢字1文字のテーマで絞り、1冊につき3篇、100冊で合計300篇集めたもの。文字も大きくて読みやすい。
もちろんポプラ社では、無作為抽出した若者を紫外線の射さない暗い部屋に拉致、拘禁し、受験、就活、失恋、転職、家庭内暴力、成人病、離婚など短期間に100年分のストレスを加え、その後で読み返しても感動を保持できることを確認した上で新刊を出している。

……嘘です。

戯言はさておき。

この「百年文庫」、気の向くままにぽつぽつ買い求め、気が向いたら手に取ってぱらぱら読んでいるのだが、最近読んだ百年文庫66『』の収録作は以下の3作。

  ドライサー「亡き妻フィービー」
  ノディエ「青靴下のジャン=フランソワ」
  ガルシン「紅い花

いずれも主人公が幻想にとらわれて人生を踏み外す話だが、3作並べて読むと「亡き妻フィービー」がいい。
幼馴染でそのまま長年連れ添った妻を亡くした老農夫がその死を理解できず、森や荒野を徘徊、最後は幻を追って死んでいく。
センチメンタルと言われればそれまでだが、センチメンタルにも上質とそうでないものがある。これは前者。

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