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2014/06/10

これも最終巻を読んでみた 『頭文字D』(48巻) しげの秀一 / 講談社 ヤンマガKC

D長編マンガには(良かれ悪しかれ)いくつかターニングポイントがある。
『あぶさん』なら景浦がレギュラーポジションをつかんだ回だったろうし、『ドラゴンボール』なら亀仙人の「最終回じゃないぞよ もうちっとだけ続くんじゃ」か。両作品ともそこから一種「暴走」が始まるわけだが、同時にこの2作が国民的な人気作に大化けするきっかけとなったことも否定できない。

では『頭文字D』のターニングポイントはどこか。
赤城山での須藤京一とのバトルに敗れ、ハチロクのエンジンをブローさせた、その回ではないか。
拓海が初めて敗北したことが問題なのではない。その後、ハチロクにレース用のエンジンを搭載したことが問題なのだ。

『頭文字D』はもともと、時代遅れでパワー面でも貧弱なハチロク(AE86 スプリンタートレノ)が名だたる強者を相手にダウンヒルで勝ちまくる、その予想外の展開がウケた作品だった。
しかも主人公は自分が公道レースをやっている自覚すらないぼーっとしたキャラクター、無敵のハチロクのボディには稼業の「藤原とうふ店」のロゴ入りだ。

しかし、エンジンを強化してしまったハチロクと拓海にはその「意外性」がない。
この時点で『頭文字D』は当初の“スタイル”を失ったのだ。

その後、拓海は高橋兄弟らと組み、「プロジェクトD」の一員としてさまざまな強敵とバトルを繰り広げることとなる。
しかし、拓海からみれば、「プロジェクトD」に参加することにはなんら必然性はない。金持ちのボンボンとチーム組んで公道レース限定で勝った負けた、だから何だろう。同じステージのメンツ相手に勝ち続けることを「お山の大将」というのではなかったか。

作者もそのあたり煮詰まっていたのだろうか。終盤は毎週8ページか10ページ、峠のS字カーブをギャロワンゴワワワと車が並走するばかりで、吹き出しのない暗いページが延々続いたあげく、ようやく訪れた最終巻。

最後のバトル、ゴールラインを先に踏んだのは拓海だが、どう読んでも内容は大惨敗。作者は拓海や「プロジェクトD」に心底うんざりしていたのだろうか? どうしてそんな事態に陥ってしまったのか、1巻2巻さかのぼって確かめる気にもなれず。

アニメや映画、DVDでの権益でがんじがらめになって連載を引き延ばした挙句、輪ゴムが切れるように打ち切る? 悪い終わり方の見本のようだ。残念でならない。

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コメント

この表紙がまた…パースが……
どう見てもこの巨大な拓海が運転席に座れるとは思えません。

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