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2014/06/09

最終巻を読んでみた 『あぶさん(107) 大吟醸あぶさん』 水島新司 / 小学館ビッグコミックス

Photo_2連載期間(1973~2014年)、単行本巻数(107巻)とも問答無用の長寿連載マンガの1つ。
主人公・景浦安武がホークス(当時南海)に入団し、ダイエーホークスを経てソフトバンクホークスを退団するまでと内容的にもIN/OUTがきっちりしている。

連載開始当初は、酒で身を持ち崩した主人公が長打力を買われて代打一本でプロ入団を果たす話だった。
そこに藤原チャイや佐藤ミチ、大沢監督など実在のプロ野球選手をからませ、「仕事」としてのプロ野球の骨太な凄みを伝え、大人の野球マンガとして楽しませてくれたものだ。
単行本でいえば7巻か8巻あたりまでか。先の展開も読めず、本当に面白かった。
南海ホークスが低迷して野村監督が更迭されたとき、連載打ち切りも検討されたそうだが、読み手もその寂寥感あふれる野村の後姿にプロの世界の厳しさを垣間見たものだ。

その後、連載開始当時には考えられなかったことだが、レギュラーとなったあぶは

 ・三冠王3回(1991 - 1993年)
 ・首位打者4回(1991 - 1993年、2007年)
 ・本塁打王6回(1986年、1991 - 1995年)
 ・打点王4回(1991 - 1993年、1995年)
 ・シーズン打率.401(456打数183安打)(2007年)
 ・シーズン56本塁打(1994年)
      (ウィキペディア、「景浦安武」の項より)

等、数々の記録を達成する……これはもうマンガ。マンガだから、としか言いようがない。
初期のファンとこの時期の読み手が同じ層なのかどうかもよくわからない。
少なくとも自分はまったく読む気を失って今にいたった。

最終巻がホームドラマのような、何かスポーツマンガではないものだったことについては言ってもしかたない。ここしばらくの『あぶさん』はそういう作品だったようだ。
ただ、淡々としたワンアイデアの人情ドラマの好まれるビッグコミック誌上で、この最終巻は決してレベルが低いようには見えない。職人水島新司は健在だ。

一つだけ文句を言わせていただくなら、最終巻にスカウトの岩田まで登場させながら、野村元監督を描かなかったのはなぜだろう。
納得がいかない。南海ホークスの、緑の背表紙が泣く。

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