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2014/04/26

続けて読んでみる 『真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ』 大沼紀子 / ポプラ文庫

Photo_2 さほど大きな期待は抱いてなかったのだが、これはアタリ。読むほどに、楽しい。

都内(三軒茶屋)、午後11時から午前5時までという深夜営業のパン屋を舞台に、妻を亡くしたオーナー(兼パン職人見習い)、その妻に横恋慕していたイケメンの若いパン職人、そのパン屋に居候することになった不機嫌な女子高生、そしてさまざまな影を背負う客たちがあやなす人間関係。

こちらもタイトルからなんとなく「癒し系」、「ハートウォーム」などと予測してしまったが──とんでもない。いじめ、親の不倫、ストーカー、ネグレクト、万引き、ホームレスのニューハーフ、などなど、これでもかの苦い設定が立ち並ぶ。

にもかかわらず各編の読み口が爽快なのは、作者がそれぞれのキャラクターをちゃんと描こうとしてくれているため。
それぞれのキャラクターに二重三重の足枷をはめた上で、その足枷を外すのではなく、ほかの登場人物と静かにともに歩いていく結末が選択される。
痛快無比、快刀乱麻なカタルシスなど求めようもないが、その代わり、実直な読み応えが濁ったものを流す。

ちなみに「午前0時のレシピ」に次いで「午前1時の恋泥棒」「午前2時の転校生」「午前3時の眠り姫」が既刊。朝になったらおしまいだろうか。

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