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2014/02/23

奈落の底から 『累(かさね)』(現在2巻まで) 松浦だるま / 講談社 イブニングKC

Photo美貌の女優、淵 透世(ふち すけよ)の一人娘として生まれた累(かさね)。彼女は二目と見られぬ醜悪な容姿のため、日々クラスメートから壮絶ないじめを受けていた。しかし、母の死後、その美貌が一本の口紅で口づけすることにより他者から容姿を盗み取ったものであることを知り──。

累をはじめ、登場人物の名は「四谷怪談」や「番町皿屋敷」と並び称される怪談「累ヶ淵(かさねがふち)」からとられている。今のところストーリーに「累ヶ淵」との類縁はとくにないが、今後、どうか。

いずれにせよ、新人とは到底思えない筆さばきである。巧い。

……それでも、本作が新人の初めての連載であることを天に恨みたい

1巻冒頭の母親の写真、これは描くべきではなかった。作者は後になって気づいたのだろう、母親の目は常に影に隠されるようになる。あるいは幼い累とそのクラスメートたちの、(いじめっ子の墜落死さえ含む)展開はまだ「巧みにこしらえたマンガ」の域に留まり、いうなればドライブ感に乏しい。

累が若い女優、丹沢ニナに出会うあたりから、ペンは少しずつすべり始める。2巻巻末、あるいはまだ単行本に収録されていないシーンでのニナ(=累)の妖しい美しさは圧倒的だ。

作者が今後の展開をどう考えているかはまるで見当がつかない。
漫画家自身の手に負えない美しさというものはあるのだろうか。もしこの世にそういうものがあるのだとしたら、それは本作で起こり得るのではないか。そう期待させる作品でもある。

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