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2013/12/09

Re-Make/Re-Model 『箱庭図書館』 乙一 / 集英社文庫

PhotoWeb企画として参加者に小説原稿を送らせ、『さみしさの周波数』や『ZOO』の乙一が仕上げ直した短編集。

そういう出自ゆえ、乙一ならではのテイスト──たとえばキレキレの残虐性と無慈悲なまでの寂寥感の思いがけない混交──など期待してしまうと、どうしてもはぐらかされてしまう。
また、乙一宛に送られるテキストの傾向が似通っていたためか、予測を覆すレベル、乙一が書きそうにない設定があるかといえば、そうでもない。
全体に乙一の習作を乙一が焼き直した、そんなふうに見えるのだ。投稿作品を元にしながら1つの市の出来事、あるいシリーズキャラクターを描き上げる、というアプローチもさほど効果は上がらない(そのシリーズキャラクターにあまり魅力を見い出せない)。

──などなど、あれこれ食い足りなさを感じさせつつ、「コンビニ日和!」や「青春絶縁体」でクールな人間関係に“らしさ”を垣間見せ、それでも「王国の旗」のヌルさにここまでかと諦めかけさせながら、一転、巻末の「ホワイト・ステップ」で見事逆転のリーヅモピンフハイテイドラドラハネマン。このあたり、さすがはプロの仕業である。
同じ場所にいながら互いに見ることも触れることもできない男女といえば、式貴士『連想トンネル』の「見えない恋人」が懐かしい。あちらはダークに終わったが、「ホワイト・ステップ」の展開の妙、意外性、読み手の心に焼きつく力は群を抜いている。
このアクロバティックな力のどれほどが乙一のリメイクによるものか、それはわからない。それでも、この一作のために『箱庭図書館』を購入して、少なくとも後悔はない。

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