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2013/12/02

空箱。 『パンドラの復活』 原作 青山広美、作画 つかさつよし / 小学館 ビッグコミック

Photo2011年3月11日の震災から1年、前代未聞の“放射能テロ事件”が発生した!
“パンドラ”と名乗る犯人は、東京都M貯水池に、放射能汚染コンクリ片を設置し、原発事故の犯罪人として、政治家や帝国電力幹部、そして原子力ムラの御用学者ら13人に死刑を要求!! パンドラとは、いったい何者なのか?

3月に発売された本作の単行本の帯には「禁断の問題作 ついに単行本化!!」とあり、ネットには「東京電力パロディ漫画『パンドラの復活』突然の打ち切りの裏事情」などという動画もアップされている。
──にもかかわらず、本作はさほど大きな話題にはならなかった。

東京電力や原子力ムラの関係者に対し、死刑を宣告するような過激な内容だったため圧力がかかった──というのが事実どうかは知らないが(正直、相手にされてないんじゃないかと思うが)、ここではそんなことより別のアングルで指摘しておきたい。

そろそろ、皆で、浦沢直樹の『MONSTER』や『BILLY BAT』はつまらないだけでなく害が大きい、ときちんと指摘しておくべきではないか。
過去のある人物をあれこれ組み合わせ、意味ありげなセリフをつぶやかせれば深い人間ドラマになる……わけはない。
ところが、ただそれだけの作品が過大に評価されるものだから、『パンドラの復活』のようなその亜流、亜流といって悪ければ傍流が、発表されるだけならまだしも「禁断の問題作」などというトンチンカンな煽りを羽織ってしまう。

原発事故が大きな社会問題であることと、原発事故を扱った作品が問題作たり得るかどうかはまったく別の話。当たり前だ。少なくとも読み手はその点について大きな勘違いはしていない。本作は多少風呂敷を広げすぎ、それを無理やり畳み込んだ、よくある社会派テイストのサスペンスにすぎない。
勘違いを誘導しかねない煽りがあったとするなら、それが問題なのである。

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