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2013/07/16

『009 RE:CYBORG』(現在2巻まで) 原作 石ノ森章太郎、ストーリー 神山健治、作画 麻生我等 / スクウェア・エニックス ビッグガンガンコミックスSUPER

009アニメ映画『009 RE:CYBORG』(2012年10月27日公開)のコミカライズ。
2013年、世界中で爆破テロが頻発し、ギルモア博士が再びサイボーグ戦士を招集する。しかし、3年ごとに記憶をリセットされて高校生として暮らしていた009こと島村ジョーは応答しなかった。一方、考古学の道に進んだ008 ピュンマは、アフリカのオルドバイ峡谷で翼のある化石を発見し……。

1巻冒頭、002と007がバーで待ち合わせるシーンの男臭さに途方に暮れる。添付の表紙、これが002。おちゃらけタコ坊主007の違和感たるやもっと凄い。誰だこれ。
考えてみれば彼らサイボーグ戦士たちも、ブラックゴースト団によって改造されてなんだかんだでまもなく五十周年。おっさんになってないほうがおかしい。
輸送機のプライベートスペースでラブシーンを繰り広げるジョーと003 フランソワーズ。すでに映画で公開済みとはいえ、フランソワーズに黒い下着はいいのか石ノ森。

石ノ森章太郎は、デビュー当時「引き出しの多い作家」と評され、SF、アクション、ギャグ、少女マンガ、時代劇、なんでもござれの多彩なテクニックで知られていた。ただ、後から振り返ると、ヒット作に巨大ロボがいない。
彼のシリアス長編の殿堂は、自らに超人性を与えた組織に刃向い、孤独な戦いをいどむ超能力者あるいはその集団、である。
そんなヒーローのジレンマこそを描こうとした石ノ森にとって、巨大ロボのごとき大雑把に強すぎるキャラは扱いにくいだけだったのかもしれない。
しかし一方、その設定下でヒーローの存在を強く大きくしていった結果、石ノ森は何度も「神の領域」という壁にぶつかり、いくつかの作品は(一神と多神の整理すらつけないで先に進んだあげく)手におえなくなって実質未完で終わってしまう。『009』しかり、『幻魔大戦』しかり、『リュウの道』しかり。

原作者の死後に制作が始まった『009 RE:CYBORG』についても、石ノ森の世界観にこだわればこだわるほど、大ネタ「天使の化石」には奇麗な着地は望めない。
……だからといって『009 RE:CYBORG』に見る価値がないわけではない。ストーリーが膨張してぐだぐだになってしまう寸前の沸騰が面白いのが『009』なのだから。
果物も、石ノ森作品も、腐る直前が一番美味いのである。

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