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2013/06/13

頑張れ中のひと 『サッカーの憂鬱 ~裏方イレブン』(現在2巻まで) 能田達規 / 実業之日本社 マンサンコミックス

Photoオーレ!』でプロサッカーチームの運営を描いた能田達規。本作も変わらずの現場目線、審判、実況アナ、通訳、ホペイロ(用具係)、クラブ広報など、チームや試合を支える裏方に焦点を当て、それぞれの不断の苦心とサッカーに捧げる情熱を描く。

一編一編は小振りだが、プロの職人ぶりを紹介するドキュメンタリーライクな読み応えと、裏方を応援する穏やかで誠実なコマ運びが読み手を温める。

一方、どうしても
  普段は軽んじられる
  (存在そのものを意識されない)
  ⇒ 選手活躍、裏方に感謝
という展開が多くなり、バリエーションに欠けるのは否めない。
そのため、1巻はまだしも、2巻までくると似かよったエピソードが出てきたり(チームドクターとフィジカルコーチ)、正キーパーや女子チームの選手の活躍が描かれたり(裏方でさえない)、それが作品全体の甘さにつながってしまう。

とはいえ集団スポーツを描くとき、こういった裏方──というよりそのチームや試合を成立させる「個々の仕事」──への目配り、尊重は欠かせない。初期にあれほど輝いて見えた『GIANT KILLING』がいまやテンポの悪い団子汁にしか見えないのもその姿勢を途中で置き忘れてしまったせいではないか。

なので、せめてタイトルをひと工夫し(『サッカーの憂鬱』ではあんまりだ)、原作付きとは言わないまでもネームにアドバイザを立て、数編に一編は裏方の徒労感がにじみ出る重めの話を混ぜるなどすれば格段に重厚な作品集となるのは間違いなく……。ところがどっこい、そんなものは松山県民(チガウ…)能田達規の作品とは言えないのであった。
GIANT KILLINGもなかなか難しいのである。

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