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2013/05/23

『愛されたもの』 イーヴリン・ウォー 作、中村健二・出渕 博 訳 / 岩波文庫

Ai岩波文庫『愛されたもの』は今年2013年の3月15日発行。同じウォーの『ご遺体』(光文社古典新訳文庫)はその3日前の3月12日。
実はこの2作、邦題は異なれど同じ作品(原題は The Loved One: An Anglo-American Tragedy)。それぞれの編集担当や訳者は相手方から別タイトルで発行されることを知っていたのだろうか?
何もこんな小さくて甘くないパイを奪い合うこともないだろうに。

ストーリーは、ビジネスライクなハリウッドの葬儀会社を背景に、イギリス人とアメリカ人の相克をブラックに描き──ということらしい。手練れのイギリス作家による「お葬式」、そう読めばよいのか。

最初の30数ページで映画界の栄光から見放され、人生をはかなんで死んでしまう老詩人だけが妙に人間くさく、あとは主人公とおぼしき野放図な若い詩人にせよ、一流の遺体修復師にあこがれる人形のようなアメリカ女にせよ、何かのコメディを真似たどこかのコメディをさらに真似た舞台慣れしていない学生のようで、背ばかり高い印象。少なくとも笑いのツボを押されることはないまま終わってしまった。
せめてもう少し、嫌なものがあるとよかったのだが。

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コメント

葬儀に関する作品では、かまたきみこの短編集『てんから』収録の「エンセル」がイチオシ。
http://karasumaru.txt-nifty.com/kurukuru/2005/02/fall-in-5d1f.html

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