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2013/04/28

語るにのぼる 『三文未来の家庭訪問』 庄司 創 / 講談社アフタヌーンKC

PhotoシュルレアリスムやSFは描くことへのチャレンジ精神そのものといったところがあって、チャレンジの姿勢さえ見せられればぶっちゃけ完成度は二の次だ。
その伝でいくなら庄司創(しょうじ はじめ)の作品集『三文未来の家庭訪問』は正しくチャレンジ精神に充ち溢れたSF作品集で、少しばかり絵柄の完成度が低かろうが、コマ運びが読みづらかろうが、そんなものは欠点に数えない。

もう一度言おう、『三文未来の家庭訪問』は極上のSF作品集である。

ことにカンブリア紀、パンサラッサ(古太平洋)の海底を舞台にほんの数十ミリ大のバージェス頁岩動物群をナウシカふうの姿かたちになぞり、その群の滅亡過程に神や蒙昧への畏怖と永遠を語らせた「パンサラッサ連れゆく」が問答無用に素晴らしい(タイトルだけでSFだ)。リアル世界のハートウォームな人間関係と宇宙人の構築した煉獄をカットバックで描いた「辺獄にて」もいい。普段使われない脳神経の一部が踊り出す。ラストが浪花節でも許す。
遺伝子操作が可能となった時代のジェンダーを若者の出会いを借りて描いた表題作「三文未来の家庭訪問」、こちらはテーマやイベントを盛り込み過ぎたかもしれない、今ひとつ揺らされなかった。遺伝子操作で男性が子供を産めるようにできる時代に、主人公の家族以外、おおむね現在とさほど変わらぬメンタリティー、生活ファッションというのもどうか。

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