『短編工場』 集英社文庫編集部編
さらっと。
「小説すばる」は1987年11月創刊の月刊小説誌。『短編工場』はその25周年を記念しての文庫アンソロジー。
(ちなみに同じ集英社でも純文学志向な月刊誌が「すばる」)
収録12作はすべて2000年以降の掲載だが、最近の作品にしては子や親の死を素材にしたウェットさが目につく。今ふう、ライトな恋愛モノ、家族モノもいくつかあるのだが、相手との関係や子育てについて、睦まじさより無神経、軽妙さより無責任のえぐみが残り、今ひとつ楽しめなかった。
その中、女教師と女子高校生の思わぬ道行を描いた桜庭一樹「じごくゆきっ」が図抜けて気持ちよく読めた。歴史に残る名品とまでは言えないが、少なくとも無責任な印象はない。
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