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2012/07/09

ほの白く立つ炎たち 『ひらけ駒!』(現在6巻まで) 南Q太 / 講談社モーニングKC

Photo ウィキペディアでは『ひらけ駒!』は「将棋に熱中する子どもを見守る母の視線を中心に、将棋の世界と親子のやり取りをひたすら静かに描く、数ある将棋漫画の中でも異彩な作品」と紹介されている。概ねそのような作品と、これはみなされてきたはずだ。
 だが油断してはいけない。女とマンガは化けるのだ。

 6巻にいたり、棋戦に臨む女流棋士たちの有り様が描かれるようになって、作品世界は一気にほの白く炎上した。

 とくに美貌の女流二段、壇レイ子が全コマいい。
 さらさらストレートヘアを肩に流し、小首を傾げてベッドから主婦を電話で将棋サロンに招く。

   楽しい集まりに
   なると思うんです

   菊地さんに
   来ていただけたら
   すごく嬉しい

 それがいざ棋戦となると、「力戦好きの攻め将棋」、しかも早指し。

 このレイ子を鏡と配置して、さまざまな女流棋士たちの日常がクロスカッティングで丹念に描かれていく。将棋は(当然ながら)知のせめぎ合いなので、彼女たちは勝負が決するまで声を漏らさない、居住まいを崩さない。寡黙なコマにこそ読み返すたびに発見がある。

 たとえば56ページ、122ページ。おっとりした女性の目のあたりに薄くスクリーントーンが張られると、どれほど恐ろしいことになるか。この凄み、7巻に続く。

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