名探偵、今回はなぜかタイトルも無芸 『鍵のかかった部屋』 貴志祐介 / 角川文庫
期待が大きすぎたせいか、長編『硝子のハンマー』、短編集『狐火の家』に比べれば格段に満足度ダウン。
『狐火の家』と同様、密室殺人を扱った4編からなる短編集なのだが、そのトリックが複雑でわかりにくいため、
犯行はいかに困難な状況下でなされたように見えるか
の説明にまず紙数を費やし、そのあげく
それが実際はいかになされたか
の解明にさらに紙数を費やすという悪循環。その結果、犯行の動機や犯人のキャラクタ紹介、お馴染み防犯コンサルタント(元泥棒?)榎本径と(自称)美人弁護士青砥純子の頓珍漢な掛け合い漫才も駆け足……と、要するにこのシリーズならではの魅力が台無しだ。
ちなみにテレビドラマ化に際しては榎本役に嵐の大野智? 「お嬢様はアホでいらっしゃいますか」の桜井翔の二番煎じか。あちらも酷かったが、毎度ながら誰でもいいから数さえとれればというテレビ局の浅ましさ。……というか、怒れよ貴志祐介。
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