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2012/05/05

あざ笑う刃 『アバンチュリエ(3)』 森田 崇 / 講談社イブニングKC

Photo 軽妙にしてほどよく悪意もけぶる3巻め。前回書くだけのことは書いたので、今回は軽く内容紹介だけ──。

 収録作は「ハートの7」の解決編、「遅かりしHerlock Sholmés(ハーロック・ショームズ)」、「赤い絹のショール」、の3編。
 いずれもよき時代の探偵小説屈指の好編にしてアルセーヌ・ルパン生涯の伝記作家との出逢い、宿命のライバルHerlock Sholmés(いわずと知れたSherlock Holmesのアナグラム)との出逢い、そして実直ガニマール警部を相手にルパンの手際と頭脳の冴えをまざまざと示した傑作、と、シリーズ中でも重要な意味合いをもつ作品ばかり。

 連載開始前に十二分に醗酵させたのだろう、友人に対し気のいい好青年を演ずるルパン、愛しい女性を前にうろたえるルパン、事件に際しキレまくる天才ルパン、いずれも胸のすくかっこよさ。
 翻訳本と読み比べても、たとえば「ハートの7」で名を問うバランに「おっ! 復讐するつもりだな?」と嬉しそうにモノクル(片メガン)をつけて名乗りを上げるルパン、「赤い絹のショール」でならず者としての生き方に翻意を求めるガニマール(原作にそんな場面はない)に「…これは驚いた! お説教ですか!? 神父様(パーパ)!!」と茶化すルパン、などなど、ある意味ルパン以上にルパンらしい。

 森田崇は、声を上げてあざ笑う実践者の、肌がひりつくような痛快さとその裏の峻烈さをわかって描いているのだ。多分。

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