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2012年1月の5件の記事

2012/01/29

終わって残念 『誰も寝てはならぬ』(全17巻) サラ イネス / 講談社ワイドKCモーニング

Photo 急に話が動き始めて、ああ、もしかすると、と思っているうちに唐突に連載が終わってしまった。『大阪豆ゴハン』のときとおんなしだ。登場人物それぞれにそこそこハッピーエンドを匂わせて終わるところなんかもそっくり。それでも、子供が、従兄姉の家で遊んでいて、親にもう帰るよ、と言われたときのような寂しさがつのるのはなぜだろう。

  ハルキちゃん、オカちゃん、うまくいくといいよね。
  (オカちゃんの最後から3コマめの表情、よかったネ)
  ゴロちゃん、元気でね。
  「ま 行ってきたと」なヤーマダ君、大切にね。
  ねねちゃん、巴ちゃん、幸せにね。
  マキオちゃん、頑張って。
  僕が本を出すなら君に装丁頼むから!

 と、さほど感情移入しているつもりもないのに、まるで親しい知人のことのように彼らの先々が気になる。でも、過客の深追いは禁物。大人なんだから、さらりとね。

2012/01/22

名探偵は短気でワガママ 『ストロベリーナイト』『ソウルケイジ』『シンメトリー』 誉田哲也 / 光文社文庫

Photo 書店では久しく平積み継続、連続テレビドラマにもなった誉田哲也『ストロベリーナイト』。後学のため、と読んでみたのだが、その読後感は少しばかり意外なものだった。
 トリッキーな犯人像やキレキレの殺人描写はエキセントリックでステキステキ(はあと)なのに、それを追う主人公、捜査一課の女警部補とその周辺の刑事達がどうも今ひとつなのだ。上司の女刑事にこがれながら思いを口にできない大男、蹴っても殴っても「主任~」とクネクネ彼女に言い寄り続けるナメクジ刑事、公安上がりで秘密主義の辣腕ダーティ刑事。そもそも主役の姫川玲子の人間性といえばおきゃんではねっかえり、古来ゆかしきじゃじゃ馬である。つまりは2時間サスペンスドラマ臭横溢、まったき昭和な面々が「ケイゾク」「スペック」もかくやのサイコな連続猟奇殺人を泥臭く追うのだから、その違和感にどうもすらすらページをめくることができない。おまけに、美人で勘の冴えた女刑事は、そのうちただのドジメンにすぎないことが明らかになってしまう。

Photo_2 続編『ソウルケイジ』にいたっては、事件そのものに前作ほど妙味がない分、警察という籠の中で姫川が誰と合わない、誰が嫌いといったことにページの大半が費やされ、読了まで恐ろしく時間がかかってしまった。

 ある程度大きな組織では、いやフリーランスで働いていても、合わない人などいくらでもいる。サスペンス小説にそんな矮小な人間関係もち込まれても鬱陶しいばかりなのに……。
 とかぶつぶつ文句たれながら、それでも自分なりに白黒つくまではシリーズを追ってしまう、それが僕の悪い癖、とここで急に杉下右京の口調を真似て、そうそうあと1つだけよろしいですか、と手にした同じ姫川玲子シリーズ初の短編集『シンメトリー』、これはよかった。

Photo_3  収録作はそれぞれ短いだけに、周囲との軋轢なぞ描くいとまがない。事件そのものは一つひとつ陰惨でも、そこに誰かの正義感や諦めない前向きな心のありようが古めかしく描き込まれ、それが昭和テイストな登場人物たちにしっくり合う。姫川も快調で、援交ギャルに見事に説教してのける「右では殴らない」など、アラサーパワーにラストのドジぶりも光って秀逸だ。

 なるほど、美人とか優秀とかいう第一印象に引きずられたのが(姫川のライバル、日下警部補がなにより嫌う)「予断」であった。
 このシリーズは脳内で「オバさん刑事大活躍!」とサブタイトルを振って読むべきだったか。

2012/01/21

お父さんホットカーペット、届きました

帰ってみると荷物が届いていた。何だろう?

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見覚えのある顔が、「カッター厳禁だぞ!」と。……そうですか。

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では、手でバリバリと。……おわっ。なんだなんだ?

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ケータイのポイントでゲットした「お父さんホットカーペット」でした。
思ったよりずっと大きい。まさしく想定外。

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左上のティッシュボックスが小さく見えます。
もっとも実際のホットカーペットはカバーより少し小さい、長方形。
コントローラーは温度調整もできて、なかなか上等です。

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「お父さんグラス」も届いた。こちらも大きい。
もちろんごくごく牛乳を呑むときは左手は腰だ。

2012/01/16

娯楽大作 『デラシネマ』(現在4巻まで) 星野泰視 / 講談社モーニングKC

Photo【せめて二流の映画にする努力】

 これもまた読むと元気の出るマンガ。
 戦後間もない昭和28(1953)年、京都太秦(うずまさ)に程近い撮影所を舞台にして、当時娯楽の王様と言われた日本映画の制作現場を描く。

 主人公は満州からの引き揚げ者、若者2人(タイトルの「デラシネ」=「根無し草」はそれによるものだろう)。大部屋俳優とフォース助監督として映画会社に所属したばかりの彼らは、リアルで新しい映画を志すも、映画界の厚い壁にはばまれて初手から苦戦の連続だ。一方、彼らが対峙する敵役、脇役たちは次々とエピソードの主人公を演じ、物語は立体的で豊かな広野を示す。ベテラン監督同士の葛藤など、主人公を悠々呑む深みがあって凄い。

 考えてみれば日本映画はその後テレビに圧されて冬の時代を迎え、主人公たちが求める「本物の映画」も今のところその実像は測れない(まさかのちのヤクザ映画、ゴジラ映画ではあるまい)。
 しかし、昭和半ばの家屋、服装、さらには撮影所、セット、撮影機材、そういった細々の一つひとつを週刊連載で違和感のない「絵」に仕上げ、その上で骨太いストーリーを組み上げつつある本作は、地味ながらマンガの示す可能性の頂点の一つに近づいているのではないか。
 ちなみに、三流映画を撮らされる師岡監督という輩が小物ながら実にいい味出していて(くくくくく)、個人的にはファンです。

2012/01/08

あなたには敵わないな 『AKB49 ~恋愛禁止条例~』(現在5巻まで) 漫画 宮島礼吏、原作 元麻布ファクトリー、構成協力 高橋ヒサシ / 講談社 少年マガジンコミックス

Akb 年初めに取り上げる作品をどちらにするか、ちょっと迷ったのだけれど、めでたさでいえばこちらかな、と。『AKB49』です。

 連載開始されたときは、またしょーもないものをと思わないでもなかった。
 なにしろ、憧れのクラスメートの夢がAKBに入ることと知った高校1年の少年「浦山実」が、彼女を助けるために女装してカツラかぶってオーディションに参加、意外なことにクラスメートだけでなく自分も合格してしまい、やがてアイドル「浦川みのり」として活躍する……というのだ。
 バレないはずがない、と言えばそれまでだが、空飛ぶロボットも消える魔球も患者を絶対死なせないお医者もいらっしゃいがマンガのよいところ、驚いたことにこの連載、気がつけばやたら面白いのである。楽しいのである。

 ライバルが現れ、困難が立ち塞ぎ、より高いステージに挑み、という構造は野球マンガとなんら変わらない。

  私もAKB好きだけど
  あなたには
  敵わないな

  よしっ! 100%!

  足は折れても
  心は折れてないっスから!

などのキメゼリフも、感動の構造は通常のよくできた少年マンガと同様だ。

 一方、よくもあしくも本作の味わいを深めているのが、AKB48のメンバーやプロデューサー、劇場支配人がいずれも実名で登場することだ。少年マンガに実在の人物が出てくる場合(スポーツ選手が多いが)、どうしても理想化した描き方をすることが多いのだが、本作では「単押し」などのAKBスラング、実際のグループ構成、スキャンダル、あるいは個々のメンバーへの批評、非難まで細かく描き込まれ、さらにそれを逆手に取った表現も冴える(たとえば前田敦子に対して何度も「やる気ない」との世評を投げつつ、ミステリアスな味付けで秘めた情熱を描くなど)。
 主人公が男性である、なので不屈の根性とリーダーシップをもってセンターに抜擢される、ここだけに着目するとやや男尊女卑な構造に思われる。ところが、その主人公たちが翻弄される高橋みなみや前田敦子、篠田麻里子ら正規メンバーたちは彼より格段に高い次元にいることになる。

 単行本を通して読むと、4巻あたりから俄然ステージの群舞を描いたシーンの動感がよくなるのがわかる。おそらく写真をもとに描いてはいるのだろうが、作品の表現力がどこまで伸びるのか興味深い。
(作画について難点を挙げるなら、主人公の憧れの対象である吉永寛子がいっこう目立たないことか。なにしろ名だたるアイドルが多数登場する作品なので、これは難しいかもしれない……)

 ともかく、AKB48なんて、と読まず嫌いですますのは惜しい作品である。テクニカルな観点から見るだけでもお奨めしたい。

 それにしても、少年マガジンの企画力には恐れ入る。
 この『AKB49』と入れ替わるように連載の終わってしまった『新約「巨人の星」花形』も「今さら『巨人の星』のスピンアウト?」との大コケの予想を覆し、22巻の長期連載にいたった。思い切り陽性の花形満を立て、本来そうあるべきだった甲子園の決勝を描き上げた編集部の英断と作者の力量には頭が下がる。

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