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2012/01/08

あなたには敵わないな 『AKB49 ~恋愛禁止条例~』(現在5巻まで) 漫画 宮島礼吏、原作 元麻布ファクトリー、構成協力 高橋ヒサシ / 講談社 少年マガジンコミックス

Akb 年初めに取り上げる作品をどちらにするか、ちょっと迷ったのだけれど、めでたさでいえばこちらかな、と。『AKB49』です。

 連載開始されたときは、またしょーもないものをと思わないでもなかった。
 なにしろ、憧れのクラスメートの夢がAKBに入ることと知った高校1年の少年「浦山実」が、彼女を助けるために女装してカツラかぶってオーディションに参加、意外なことにクラスメートだけでなく自分も合格してしまい、やがてアイドル「浦川みのり」として活躍する……というのだ。
 バレないはずがない、と言えばそれまでだが、空飛ぶロボットも消える魔球も患者を絶対死なせないお医者もいらっしゃいがマンガのよいところ、驚いたことにこの連載、気がつけばやたら面白いのである。楽しいのである。

 ライバルが現れ、困難が立ち塞ぎ、より高いステージに挑み、という構造は野球マンガとなんら変わらない。

  私もAKB好きだけど
  あなたには
  敵わないな

  よしっ! 100%!

  足は折れても
  心は折れてないっスから!

などのキメゼリフも、感動の構造は通常のよくできた少年マンガと同様だ。

 一方、よくもあしくも本作の味わいを深めているのが、AKB48のメンバーやプロデューサー、劇場支配人がいずれも実名で登場することだ。少年マンガに実在の人物が出てくる場合(スポーツ選手が多いが)、どうしても理想化した描き方をすることが多いのだが、本作では「単押し」などのAKBスラング、実際のグループ構成、スキャンダル、あるいは個々のメンバーへの批評、非難まで細かく描き込まれ、さらにそれを逆手に取った表現も冴える(たとえば前田敦子に対して何度も「やる気ない」との世評を投げつつ、ミステリアスな味付けで秘めた情熱を描くなど)。
 主人公が男性である、なので不屈の根性とリーダーシップをもってセンターに抜擢される、ここだけに着目するとやや男尊女卑な構造に思われる。ところが、その主人公たちが翻弄される高橋みなみや前田敦子、篠田麻里子ら正規メンバーたちは彼より格段に高い次元にいることになる。

 単行本を通して読むと、4巻あたりから俄然ステージの群舞を描いたシーンの動感がよくなるのがわかる。おそらく写真をもとに描いてはいるのだろうが、作品の表現力がどこまで伸びるのか興味深い。
(作画について難点を挙げるなら、主人公の憧れの対象である吉永寛子がいっこう目立たないことか。なにしろ名だたるアイドルが多数登場する作品なので、これは難しいかもしれない……)

 ともかく、AKB48なんて、と読まず嫌いですますのは惜しい作品である。テクニカルな観点から見るだけでもお奨めしたい。

 それにしても、少年マガジンの企画力には恐れ入る。
 この『AKB49』と入れ替わるように連載の終わってしまった『新約「巨人の星」花形』も「今さら『巨人の星』のスピンアウト?」との大コケの予想を覆し、22巻の長期連載にいたった。思い切り陽性の花形満を立て、本来そうあるべきだった甲子園の決勝を描き上げた編集部の英断と作者の力量には頭が下がる。

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コメント

やや、ここがばれてしまうとは! なんてこった!
・・・いや、そういえばURLを年賀状に書いてしまったわけですが。

気が向いたら感想やオススメの本など気軽に書いてくださいね。

今は次男から借りて「ストロベリーナイト」~「ソウルケイジ」と読み進めているところです。
「ストロベリーナイト」は、ストロベリー+ナイト、イチゴ+夜、15+夜、つまり十五夜お月さまと何か関係あるかと思っていたら、ハズレでした。ふふーんだ。

年賀状から、このサイトをこっそり知りました。
私も、AKBのマンガが今年本屋さんで目につきました。

ルンバが家にあるんですね!私も欲しいです。

今自分は、「ミレニアム」を読んでいます。辰年だけに。

ではまた。じゅんじゅん

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