クマにしてやったことを、私にも 『アミダサマ』 沼田まほかる / 新潮文庫
近頃巷に流行るもの、“ネガティブ・エンタ”をいくつか。
『アミダサマ』は、今年『九月が永遠に続けば』や『彼女がその名を知らない鳥たち』でブレークした沼田まほかるの文庫新刊。
産廃処理場の冷蔵庫から発見された幼女、その周辺で凶事が相次ぎ……という本作は日本では珍しいゾンビ小説で──と書いてしまうとネタばれになってしまうが、その程度では、この、先の読めない作品はびくともすまい。それより前作『猫鳴り』であれほど崇高に描き上げた猫の死を、今度は惜し気もなくこの扱いかよ、沼田こえー。
ただ、女の臓腑を切り出して晒したような他の作品に比べると、『アミダサマ』はやや引き出し多すぎ。怖いのは人なのか超常的な存在なのか、この作家にしては思い切りが悪い。その分☆1つ減らして、ってここはAmazonではありませんでしたね。
ところで、沼田まほかるや『殺人鬼フジコの衝動』の真梨幸子が売れたことに、不況のせいだの、震災の影響だの、あれこれ理屈を唱える方もおられるようだが、そもそも世間が腐臭に群がるのはテレビのワイドショー見ても明らか。女流作家のヒット作にしても、たとえば湊かなえ『告白』、少し前なら桐野夏生『OUT』、グロテスクなものは人を引き寄せるのです。
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