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2011/12/19

いかにわたしが叫んだとて 『天審』(1巻) 原作 外薗昌也、作画 久世 蘭 / 講談社ライバルKC

Photo 天国、地獄にかかわるコミック作品をもう1つ。
 朝日新聞先週の日曜書評でいー感じに紹介されていたのでさっそく家政婦に命じて取り寄せてミタ。

 鋭利な翼をふりかざす凶暴な美少女。彼女を飼育する冷酷な科学者ムスカ(←ちょっとしたミス)。お約束どおり背後にはアヤしい巨大組織がうごめいている。背中にはえた肉腫にうろたえつつ平凡な日々を送ろうと試みる少年。
 ……だめだめ。古代からの伝承に想を得たSFマンガなど今どき目新しいわけもなく、残念ながら「天使が凶暴」「交尾相手を探している」程度では誰も驚かない。

 問題は描写と展開だ。

 キャラクターは、弱い、というか、軽い。
 少年の肉腫の形態はなかなかユニーク。だがその進化形と思われる少女の翼の付け根は肩甲骨にヤドリギが生えたようでいただけない。驚異的な破壊装置、飛行装置を支えられるようには到底見えないのだ。少女はその翼で気にそまぬ人間を壁や車ごと切り裂く。しかし、そのオノマトペに工夫がない。「スパッ」「バサッ」「ドッ」、これでは切れ味が悪そう。もっと耳障りな高音でなくては。

 展開については、1巻の終わり方が意外といえば意外。少女より、少年より、さらに高次元の存在がこのあと登場するということか。ちょっと面倒。話を野放しに広げるのでなく、小さな生活圏で少年の苦悩を追えるだけ追う、ということも必要ではないか。

 帯にライナー・マリア・リルケの『ドゥイノの悲歌』をもってきたのは、マンガの惹句としては秀逸。早い話がカッコいい! もちろん、『天審』がリルケの天使の高位な「おそろしさ」に若干なりとも迫っているかといえばそうではないのだが、それはないものねだりというものだろう。表紙カバーはモローかしら。

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