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2011/05/23

この木なんの木 気になる木 『レイン・ツリーの国』 有川 浩 / 新潮文庫

Photo「障害を持っていたら物語の中でヒロインになる権利もないんですか?」

 上は「図書館戦争シリーズ」2巻め、『図書館内乱』第二部のクライマックスのセリフ。
 図書隊員の一人が聴覚障害者の少女に奨めた本が障害者を扱った内容で、それをメディア良化特務機関に差別ではないかと攻撃(いちゃもん)の糸口にされる、という疼痛感あふれる展開。その(作品内で図書館から貸し出される)本のタイトルが『レイン・ツリーの国』で、作者有川浩はそのままのタイトル、そのまんま(と思われる)内容の作品を書き起こして「図書館シリーズ」とは別の出版社から発行してしまった。うーん、やりたい放題し放題、楽しそうだ。

 そうして新潮社から発行された『レイン・ツリーの国』は、健常者の男性と聴覚障害者の女性がネットを通じて知り合い、直接出会い、諍い・煩悶のはてに……という物語。耳が聴こえにくいというのは日常生活においてどういうことか、から細かく積み重ね、そのために起こる軋轢や苛立ち、逆に、そのためにつながり、深まっていく相互の思いを温かくざっくりと描き上げている。

 若い男女のダイナミックな恋愛心理の妙と爽やかな読後感の得られる好書ではあるが、しいていえば主人公(男性)のメール文が関西弁なのはどうなのだろう。こういった感情の吐露に関西弁はくどすぎて息が詰まるような気がするのだが。
  白状するけど、俺いま必死やわ。
とか、
  ちょっと卑怯やでそれ。
とか。

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