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2009年10月の1件の記事

2009/10/19

追悼 『Memories 加藤和彦作品集』

Photo 【小さな鳥さえ 言葉を忘れる】

 加藤和彦が静かに死んでしまった。

 周囲に「もうやりたいことがすべてなくなった」ともらしていたらしい。
 ファンだった、などと今さら手を上げる見苦しさは避けたい。ここ数年、いや十数年、明確に彼の名を意識したことなど数えるほどもなかった。
 それでも、彼がもうこの世にいないことを寂しく思う。

 今回の報道で「あの素晴らしい愛をもう一度」が代表作とされるのは、加藤和彦名義でヒットした曲がほかにそれほどないためではないか。ザ・フォーク・クルセダーズ「帰って来たヨッパライ」「イムジン河」、ファッショナブルなサディスティック・ミカ・バンド、数々のプロデュース作品など、よくいえば変貌、別の言い方をすれば加藤和彦とは何者かを明らかにされないまま40年が過ぎた。彼のかかわった楽曲に何度も歌われる「しょうがない」という言葉が耳をよぎる。

 僕の中では、フォークル時代から一貫して郷愁の人だ。
 今、ここでベストアルバムを聞いていても昨日よりは一昨日、先月よりは先々月、去年よりは十年前を思い起こさせる。
 あの独特な声が震える「不思議な日」や「それから先のことは」、12弦ギターが耳をくすぐる「日本の幸福」が好きだった。

 以前にも書いたが、僕が死んだら、出棺のときはザ・フォーク・クルセダーズの「オーブル街」を流してほしい。それだけでいい。

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