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2006/09/17

あっぱれ 化け物の良い座興 『夢幻紳士【逢魔篇】』 高橋葉介 / 早川書房

857【僕の名は 夢幻です 夢幻魔実也というのですよ】

 久々に女たらしで怠惰怠慢,人でなしでロクでなしの青年版「夢幻紳士」の面目躍如。あゝ,嬉しいことだねえ,やあ,楽しいねえ。

 ときは大正か昭和のはじめ。なにしろ主人公夢幻魔実也は全編を通してただ料亭で呑んだくれているだけなのに,妖怪たちが勝手に現れては蹂躙されていく。
 前作「幻想篇」では脇役に甘んじ,また柄にもなく守護聖人じみた役割を演じた反動か,今回魔実也はいつに増して性酷薄,人も性根も悪い。夢幻紳士はこうでなくってはよひろみ。
 狂言回しに登場する中高い顔の料亭の女将,先見や千里眼を生業とする“手の目”もいい味を出してあゝ面白いねえ,やあ愉快だね。

 ところで,高橋葉介の『夢幻紳士』にはいくつかバリエーションがあり,ときどき文庫で復刊される「冒険活劇篇」は同じ魔実也でも元気のいい少年探偵が活躍する話。とことんスラップスティックなドタバタコメディで,それはそれで底抜けに楽しい佳品だが,「逢魔篇」を含む青年版の魔実也とはおよそ人となりも作風も異なるため,片方に魅かれてもう一方に手を伸ばすと驚いたり呆れたりするハメに陥るのでご注意ください。お子様の手の届かないところに保管してください。目に入れたり,炎症のある皮膚へは付けないでください。もし誤って目に入った場合はすぐに大量の冷水で洗い流して専門医にご相談ください。ご使用の前には商品に添付された説明書をよくお読みの上,専門医の指示でご使用ください。

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