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2006/06/02

最近の新刊から 『夏の嘘つき』『大問題 '06』

040『夏の嘘つき』 もりたじゅん / あおばCOMICS

 『化けくらべ』『嘘をつく女』に続く,あおばCOMICS版第3弾。もりたじゅんはもともと集英社畑のマンガ家だが,年に1,2冊しか出さない作家の場合,雑誌や出版社が散るとこぼさないようチェックするのが大変だ。ふう。
 収録作は短編2作,いずれもちょっとした過去のある気の強い主人公が職業人としてのキャリアを踏みつつ年上の男性の魅力に知らぬうちに……ん? この二十年,同じ枠組みばかり読まされているような気がしないでもないが,それがもりたじゅんを読むことなのだからしょうがない。
 ざっくり読み終えて表紙(添付画像)を見直し,さすがに笑ってしまった。タンクトップのうら若い女性,肩から二の腕の線が十代はないとしてどう見てもせいぜい二十代,ところが作中の主人公は実は……。四十代の女性はそれはそれで魅力的なものだが,その年齢を当人が暴露するまで読めないなんて,サバとマグロを取り違えるような男ばかりで大丈夫か。

『大問題 '06』 いしいひさいち+峯正澄 / 創元ライブラリ

 言うことなし。
 何も言うことがない,のではない。何も言うことができないのだ。
 ギャグ作家が,壊れもせずにここまで苛烈な仕事を続けられるというのはとんでもないことではないのか。家というものを描いて自動記述,至高点の域にいたる『ののちゃん』をデイリーで発表しながら一方で政治,経済については対象の臓腑をさくさく裏返すようなメスさばき。
 気になるのは,ぽつぽつと挿入される峯正澄の回顧文が4コマ作品と対照的に感傷的でありきたりなこと。このようなものでもはさんでおかないと辛すぎてのどが渇くのではという編集者の節介もわからないではないが……不要。
 タブチくんやヒロオカ監督がかつてそうであったように,最近,小泉首相,渡辺会長,ブッシュ大統領らは,いしい作品に描かれたものこそが本来の姿に思われてならない。錯覚でも誤解でも不思議でもなく,単なるリアリズムと言ってしまえばそれまでなのだがどんな問題こんな問題。

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