フォト
無料ブログはココログ

« すこーしだけ考えてみる 『生協の白石さん』 白石昌則,東京農工大学の学生の皆さん / 講談社 | トップページ | 「F(フレーム)式蘭丸」もしくは「フレームで少女が子犬と」(大島弓子,萩尾望都論への1アプローチ) »

2006/01/23

へんです 『またまた へんないきもの』 早川いくを,絵・寺西 晃 / バジリコ

163【やだ、卵産みたくなってきたわ。】

──前回もへんな本だったのですが,今回は前回よりますますへんなんです。
──ちょ,ちょっと待ちたまえ,エリカくん。へん,へんって,いったい何の話だか。
──失礼いたしました,教授。前回と申しますのは早川いくをの『へんないきもの』のことであり,今回と申しますのは同じく早川いくをの『またまた へんないきもの』のことです。
──なるほど,すると君が言いたいのはつまり『へんないきもの』はへんな本であったが,『またまた へんないきもの』はさらにへんである,と,そういうわけなんだね。

 キリがないのでこの2人は研究室においておいて,話を進めましょう。
 『またまた へんないきもの』は,実際,『へんないきもの』よりもっとへんで……全然話が進みませんね。

 ともかく,前回も今回も,とても楽しい。へんてこりんないきものでてんこ盛りです。
 左ページに文章,右ページにイラストの見開きベースで,そんなんありか,ウソだっしょーっ,えぎーっ,というようないきものを,とくに学術的な厳密さにこだわるでもなし,ただこんなのもおります,あんなのもいますねえ,と淡々タンタカタンとブルクミュラーに取り上げていきます。

 前回がベストセラーになったことでちょこっと自信がついたんでしょうか,今回の『またまた』は前回に比べてこっそり織り込まれたギャグにも余裕があってそれが楽しい。ときどき思い出したようにイラストのはじっこに描き込まれたプチイラストがこれまた可笑しい。

 紹介されるへんないきものは,不気味なものから愉快なもの,長大強大なものからバクテリオファージまで,バラエティに富んでいます。

 目から血を発射して敵を威嚇する「ツノトカゲ」。
 鯛の口の中に夫婦で寄生して子を育て上げるまで添い遂げる「タイノエ」。
 フセインが操るイラクの巨大グモ「ヒヨケムシ」は兵士が眠っている間に麻酔を注射して肉をかじりとる。子どもみたいな叫び声をあげながら,2メートルもジャンプして襲い掛かる(いずれもウソ)。
 状況に応じて24もの活動形態に変異,神経毒を放出して魚類を食い殺し,霧状化して人体に入れば神経障害を起こす有毒微生物「フィエステリア」(これは本当!)。
 体長40メートル,シロナガスクジラより長い「クダクラゲ」
 海底からあなたを祟る自縛霊「メガネウオ」。(左のリンクは怖いからクリックしないほうがいいかも?)

 今回はスペシャルとして,回虫博士・藤田紘一郎博士との対談,絶滅生物についてのわりあいシリアスなエッセイがありますが,それにも増して「へんないきいもののへんななまえ 命名者出てこい!」が爆笑モノです。
 たとえば,「ヨーロッパタヌキブンプク」。「タヌキ」に「ブンプク」はともかく,それに「ヨーロッパ」。
 あるいは,ハードSFにおける反物質を想起させる「トゲアリトゲナシトゲトゲ」。
 「ポンポンメクラチビゴミムシ」は京都に実在するポンポン山に実在するのだから言葉狩りされても困ります。
 「シネミス・ガメラ」が暴れれば「ウルトラマンボヤ」がヘアッしてアワッしてデュウワッ!!(左のリンクは可愛いのでぜひクリックしてみてください。)

 これらがみんな,(前回の「ツチノコ」を除いて)実在するいきものなのだから嬉しい。
 理由はとくに追いません。地球は楽しい,まずはそういうこと。

──教授,教授はどうお考えなのでしょう。
──いや,エリカくん,急に言われてもだね。
──へんですか。そんなにへんですか。
──いや決してその,すごくへんというわけでは。うう。デュウワッ!!

« すこーしだけ考えてみる 『生協の白石さん』 白石昌則,東京農工大学の学生の皆さん / 講談社 | トップページ | 「F(フレーム)式蘭丸」もしくは「フレームで少女が子犬と」(大島弓子,萩尾望都論への1アプローチ) »

サイエンス・自然・SF」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« すこーしだけ考えてみる 『生協の白石さん』 白石昌則,東京農工大学の学生の皆さん / 講談社 | トップページ | 「F(フレーム)式蘭丸」もしくは「フレームで少女が子犬と」(大島弓子,萩尾望都論への1アプローチ) »