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2006/01/16

まわれまわれカザグルマ 止まらず走れ 『のだめカンタービレ(14)』 二ノ宮知子 / 講談社 Kiss KC

652【慣れデス ……夫婦ですから】

 さて,では,50代,40代,30代が「面白い」と評価するような作品とはどのようなものか。どのような指標のもとに提供すべきなのか。

 ……と,『テヅカ・イズ・デッド』を受けて書き始めたら,大長文,もうまるでまとまりがつかなくなって,いったん留保。
 素材として扱っていた作品のうち2つが豊田徹也『アンダーカレント』と山田芳裕『へうげもの』だったのが,(『テヅカ・イズ・デッド』も含めて)朝日新聞日曜版の書評欄の後追いをしているようでそれもまた不愉快。
 ちなみに朝日日曜版の吉田豪氏による「コミック教養講座」は著者の目利きが心地よい。朝日の鬱陶しい教養主義が周辺のページを覆ってなければもっと手放しでほめるところだ。

 それはともかく,年末,いや秋口から紹介したいと思いつつそのままになった本,コミックが納戸にうず高く積滞して,下のほうなど化石化して三葉虫かムカシトンボか。ひどい場合など,いざ紹介しようと掘り起こしてみたらすっかり内容を忘れていた(あえて書名はあげるまい)。

 ええ,ここはともかく,今日買ってきたコミックを取り上げてお茶を濁そう。
 回転図書館ではおなじみの『のだめカンタービレ』である。家人がセーターをとかいう買い物につき合って,3店めだか5フロアめだかで限界を越えて同じビルの最上階の書店に逃げ込み,そこではけーん。
 相変わらずのハイテンションだが,しいていえば今回は登場人物が多くて少しほこりっぽい印象。ただ,方向性として,あらゆる人物が誠実に自分にとっての音楽を求めている点ではシンプルにまとまっており,決して(一時のように方向性が分散して)落ち着かないわけではない。

 綾なす心,出会いと別れ,もはや1冊で序破急,起承転結と簡明でわかりやすいカタルシスを得るのは難しい複雑な作品になってしまった。いつの間にか大河ドラマ,ときどき1巻から読み直さないと登場人物の把握も難しい。
 「のだめ」も,ある日を境に「エロイカ」のように,現役でありながら復習の必要な思い出の作品になってしまうのだろうか。甚だしい単行本化のスピードは,カザグルマがとまらないようにという作者の必死の疾走のようにも思われたり(この品質で息が続くだけでもすごいのだけどね)。

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