フォト
無料ブログはココログ

« これでいいのか「映像化不可能」の話 その一 『音楽』 三島由紀夫 / 新潮文庫 | トップページ | これにとどめの「映像化不可能」の話 その三 『やまなし』 宮沢賢治 »

2005/11/24

これはさすがに「映像化不可能」の話 その二 『家畜人ヤプー』 沼正三 / 角川文庫ほか

283_2【いろいろな生体家具の使い方】

 さて,『姑獲鳥の夏』,『マークスの山』,『ハサミ男』,『音楽』以外にも,『指輪物語』や『亡国のイージス』,『トータル・リコール』,『魁!!クロマティ高校』などなど,「映像化不可能といわれた」はずなのにその実あっさり映像化された作品は少なくありません。

 その一方で,今のところ本当に映像化できていないのが沼正三『家畜人ヤプー』。
 この稀代のエログロマゾヒズム小説は,確かに映像化が難しそうです。

 『家畜人ヤプー』の場合,(1) CGや特殊メイク,アニメーションを駆使しないと,奇形生体家具化されたヤプーが描けない,(2) 作中で詳細に触れられてない未来世界の生活,建築様式等をどう映像化するか判断,デザインが難しい,さらに (3) 作中に描かれた状況や行為をそのまま映像化したらわいせつ裁判に問われるおそれがある,さらにさらに (4) 日本人を民族まるごと被虐対象,性的玩具に落とし込む内容にマスコミ等が騒ぎ,極右などから攻撃を受けるかもしれない,などなど,高いハードルが連発です。さりとて,CGでリアルな○○○や×××を描写しても,それにモザイクかけてしまったのでは,見に来るマゾヒストの腰が引けてしまうことでしょう。

 ことほどさように──そもそも映像化の話も出ないようなマイナー作品は別にして──本当に映像化が難しい作品の筆頭は,この『家畜人ヤプー』かもしれません。

 ちなみに,この沼正三の一大マゾヒズム叙事詩は,石ノ森章太郎,江川達也によって一部マンガ化が進められています。出来については,正直よくわかりません。2人とも,各コマとも人物の描写が中心で,(2)はうまく逃れているようです。

« これでいいのか「映像化不可能」の話 その一 『音楽』 三島由紀夫 / 新潮文庫 | トップページ | これにとどめの「映像化不可能」の話 その三 『やまなし』 宮沢賢治 »

小説・詩・文芸評論」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« これでいいのか「映像化不可能」の話 その一 『音楽』 三島由紀夫 / 新潮文庫 | トップページ | これにとどめの「映像化不可能」の話 その三 『やまなし』 宮沢賢治 »