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2005/07/25

最近の新刊から 『大阪100円生活 バイトくん通信』『百鬼夜行抄(13)』

243 マンガの紹介が続いている。マンガばかり読んでいるわけではないのだけれど,最近読んだ本,たとえば小沼丹『椋鳥日記』,幸田露伴『幻談・観画談』,中野孝次『ブリューゲルへの旅』,はては『トーベ・ヤンソン短編集』,マンディアルグ『大理石』と,もうどう取り上げてよいのかまるでわからない。
 いずれも,それなりに動機や知りたいことがあって手にしたものなのだが,正面から語るには荷が重く,隅つつきして済ますのは畏れ多い。ゴメンナサイゴメンナサイと十回拝んで本棚に戻っていただく。
 コミックにしても,あの清原なつの久々の新刊をはじめ,取り上げていない作品が……。

 言い訳はほどほどにして,本題に入りましょう。

『大阪100円生活 バイトくん通信』 いしいひさいち / 講談社

 いしいひさいちの新刊は無条件に購入する。ハズレなど考えられないからだ。

 それでも,比較すれば「なんじゃこりゃ」という単行本もないわけではない。
 本書『大阪100円生活』は,百数十冊にわたるいしい作品の中でも,ワースト5,それも上位を争うのではないか。黙って4コマを並べておけばそれで十分なのに,以前の『となりのののちゃん』といい,朝日新聞社刊行の一部の経済ネタ本といい,編集者が張り切って企画を策すとロクなことがない(『不肖・宮嶋の一見必撮!』もそうだった!)。

 本書では,4コママンガ数ページあたり1ページ,「バイトくん通信」と称するいしいひさいち本人の学生時代の思い出や,冨岡雄一による時代考証テキストがそえられている。
 大きなお世話だ。そんな説明などなくとも,仲野荘は,バイトくんたちの生活は,十分に騒々しく,情けなく,物悲しい。それ以上に何が必要だろう。

 今回収録された130編(いしいひさいちの単行本としては破格の少なさである)の4コマ作品が,そういった編集企画を知った上で描かれたものかどうかはわからない。
 だが,その多くがどことなく説明的で,いしい作品ならではの吹っ切れたところがないように思われるのは,余計な枠組みのせいだけだろうか。

『百鬼夜行抄(13)』 今 市子 / 朝日ソノラマ 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス

 10ヶ月ぶりの新作である。

 このシリーズ,購入して一読した時点では,たいてい「今回はあまりよくなかったかなー」と思う。
 ところが,「この作者の絵は人物の区別がつきにくいからな」「相変わらずコマ運びがぐにゃぐにゃで,現在と回想のシーンがまぎらわしいな」と読み返し読み返ししているうちに,「今回はなかなかよかったな」と転ずることがまた少なくない。だから新刊が発売されると必ず買ってしまう。

 さて,新しい13巻はどうだろうか。

 実は,今のところまだ「今回はあまりよくなかったなー」が続いている。
 なんというか,話がばたばた落ち着かない感じで,怖いとか,哀しいとか,頭では理解できても,体の細胞がそのようには反応しない感じなのだ。

 しばらく前から,主人公・飯嶋律の叔父,開という人物が登場しているのだが,この人物が余計に思われてならない。彼は,飯嶋家の血筋だけあって,主な登場人物のさまざまな要素を持ち合わせている(たとえば妖魔が見える,それをある程度コントロールできる,無愛想,顔が律に似ている,など)。その結果,主人公の律を含め,ほかの登場人物との役割分担があいまいになり,話が収束しないのだ。

 そのせいだろうか,開が頻出する今回,いつも活躍する司や尾黒,尾白がほとんど登場しない。それがまた寂しい。

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