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2005/06/15

悪を倒せと友が呼ぶ!! 合い言葉は正義!! 『チェンジング・ナウ』 UMA(ユーマ) / 講談社コミックス

498 【でも── もし 次に 戦闘で会ったら…… 私は キミを本気で倒さなければならない──】

 新刊紹介を旨としていない当「くるくる回転図書館」では,したがって小説やマンガを人様より早く紹介することに重きをおいていない(単に時流に乗り遅れている,とも言う)。しかし,一昨日の朝日新聞書評欄で石川雅之『もやしもん』が紹介された件については,さすがに悔しい思いをしたことを認めるにやぶさかでない。古今未曾有の農大細菌マンガ,単行本が出るより前に取り上げておくのだった……。

 というわけで,朝日新聞が取り上げる前に,せめてこちらは急いで紹介しておこう。少年マガジン連載中,UMA(ユーマ)の『チェンジング・ナウ』である。

 少年マガジンをお読みの方は,巻末間近のモノクロページに,ごちゃごちゃ,ギスギスした絵柄のギャグだかシリアスだかよくわからない変身モノのマンガが毎号数ページ,ひっそりと掲載されていることにお気づきかもしれない。気づくだけでなく,パラパラと目を通しておられる方も少なくないだろう。たいていはほのぼの,もしくはベタなギャグで終わっているのだが,ごくまれに思いがけない展開に息が止まるような思いをされた方もおられるかもしれない。……けれど結局のところ「まさか」「そんなはずは」といった気分で素通りしているのが実情ではないだろうか。

 『チェンジング・ナウ』は,変身ヒーローモノを本歌取りした,パロディ作品である。
 ストーリーは,冴えないフジオカ係長(3人の子持ち)がある日正義のヒーローとして変身能力を身につけてしまうが,変身後の「ドッグファイターゼロワン」はお世辞にもかっこよいとはいえず,おまけに必殺技は世にも卑怯でセコイ「目つぶしチョップ」に「スネキック」。そのため,父親の変身能力を知る娘にまで嫌われて一緒に歩いてもらえない。それでも次々と現れる怪しげな怪人(同語反復)に,今日もドッグファイターゼロワンは立ち向かっていく……。

 だが,進んでパロディを描けるということは,言うまでもなくそこに変身モノに対する愛情が,そして愛情もってなされる観察があるということだ。それは──ごくまれにだが──対象を凌駕する。
 だから,『チェンジング・ナウ』はときに,閃光のように凡百の変身ヒーローモノを越えた輝きを示す。そこに顕現するギャグの,あるいはシリアスな魅力は,マンガならではのものだ。細分化され,産業として整備されたマンガがときに見失ってしまいそうな,マンガの,マンガならではの危うい魅力。

 連載打ち切りが近いのか,少年マガジン誌上の連載は唐突にシリアスなストーリー展開を示している。ギャグマンガがシリアスに飛翔して輝きを失わないとしたら,それは『GS美神極楽大作戦!!』のアシュタロス篇以来かもしれない。乗り遅れたくない方はすぐ単行本1,2巻をゲットだ。爆装!! イグニッション! チェンジング・ナウ!

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