『バルバラ異界(3)』 萩尾望都 / 小学館fsコミックス
飛ぶ子供。
青羽。
火星。
時空を超えてシンクロする夢。
キーワードを並べてみれば,『バルバラ異界』が『スターレッド』のもう1つのフェノメノンであることは明らかだ。
ただし……。
今回萩尾望都は,なんというか,リミッターを外したようなところがあって,読み手にエンターテイメントを提供せんとするサービス精神をさておいて,自身の前頭葉からほとばしるものをあふれて踊るに任せているように思われてならない。
実のところこの第3巻,購入して数日,すでに何度も読んではいるのだが,最初から通しでは一度も読めていない。通して読もうとするとひどく疲れてしまって,ぱらぱらあちこちつまみ食いのように読むしかなくなるのだ。
つまるところ,まるで感性のままに書かれた散文詩集のようにこの作品はある。
にもかかわらず,並みの作家には到底到達し得ない複雑かつ堅牢な構造……。萩尾望都が萩尾望都たるゆえんである。
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