最近読んだ本 その一 『九マイルは遠すぎる』『ストーカーの心理』『春の高瀬舟 御宿かわせみ24』『私たちは繁殖しているピンク』
新聞報道について寄り道したりしているうちに,取り上げるタイミングを逃した本がたまってしまった。いずれ機会をあらためてきちんと紹介したい本(およびイナズマ落としでゴミ箱に投げ捨てた本)を除いて,ざざざっと駆け足で紹介しておこう。
『九マイルは遠すぎる』 ハリイ・ケメルマン,永井 淳・深町真理子 訳 / ハヤカワ文庫
ふと耳にした「九マイルもの道を歩くのは容易じゃない,まして雨の中となるとなおさらだ」という言葉から推論を展開し,なんと前夜起きた殺人事件の真相を暴き出す……という表題作でかねて有名な短編集なのだが,どういうわけか読もうと思い立つと書店店頭にない,そのうち失念する,ということの繰り返しでこの十数年すれ違いが続いていた。
場末の小さな書店でようやくお目にかかれたのだが……。なァんだ,その短文だけじゃなくていろいろ推論の材料があったのね。おまけにその材料たるや,極東の島国の読み手にはまずわからないであろうシロモノ。
まぁ,これは長年の期待が勝手に膨れ上がったせいだろう,アシモフ『黒後家蜘蛛の会』にも匹敵する佳編ぞろいではある。
『ストーカーの心理』 荒木創造 / 講談社+α新書
腹帯の惹句(添付画像参照)が,「ストーカー自身が告白した赤裸々な深層心理!!」。……当人が自覚しているなら,すでにそれは深層心理とは言わないのでは?
それはともかく,男性ストーカー2人,女性ストーカー2人との対話を詳細に紹介した本書,岩下久美子『人はなぜストーカーになるのか』,福島章『ストーカーの心理学』に比べるとストーカー心理の分類,抽出が荒っぽく,しかもどうも被害者よりストーカー寄りというか,どこかその言動を容認している気配があって少々ひっかかる。
この3冊の中では『ストーカーの心理学』が一番お奨め。
『春の高瀬舟 御宿かわせみ24』 平岩弓枝 / 文春文庫
神林東吾がうっかり外にこしらえてしまった(らしい)隠し子・麻太郎と再会し,その事件で母・琴江を亡くした麻太郎は後継ぎを得られない兄・神林通之進の養子となる……四方八方まるくおさまってご都合主義としても少々やりすぎではないか。あのご都合主義の権化,島耕作ですら隠し子ナンシーに自分が父であると告白しなかったというのに。
とかいいながらはらはらお付き合いしてこれで24冊目,あと何冊読めるのやら。
『私たちは繁殖しているピンク』 内田春菊 / 角川文庫
子育ては百人百色,細かいことにこだわらない親にはあれこれ参考になったりリフレッシュになったり。こだわる人は……お好きなように。
食後すぐに濃いコーヒーや緑茶を飲むのは鉄分が破壊されてよくないのだそうだ。麦茶,ほうじ茶,番茶ならOKとのこと。なるほどね。
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