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2001/03/18

そしてごらん今は

 
  そしてごらん今は
  冬
  花も獣も蜜蜂の羽音も
  暗い土の奥底深く眠って
  枯れ草の残り香さえ絶えてしまった
  だけどごらん風が
  優しく
  おまえの肩に触れる
  淡い緑の芽にこがれて
  土を見つめて首をかしげるひとよ
  どうかごらんぼくの
  生命が弧を描いておまえの空を飛んでいる
  夢なのね
  とおまえは風にささやいた(もう一度)
  夢なのよ
  (夢ではない)
  ああそのかぼそい声の陰影に
  ぼくの生命が揺れる
  揺れる
  (夢なはずがない)
  だからごらんやがて
  ひと朝の雪解け水の甘さに
  ぼくは芽生えうたうだろう
  おまえの目のもと
  揺るぎないウクライナの黒土のうえに
  だからごらん今は
  冬
  だけれどもおまえの胸にはほうら
  ふるえるものが宿りはじめる
  ふるえるものが宿りはじめる
 

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