ちょっと情けないCD 第1皿 「スクイーズ・グレイテスト・ヒッツ」 スクイーズ / 発売:ポリドール
【ヘヴィ・メタルもロックもだめだけど】
スクイーズはイギリスのポップバンド。
1974年結成,1977年レコードデビュー。当初はビートを刻んだテクノっぽいサウンドで,XTCなどとともにニューウェイブ系のバンドとして紹介されています。日本では「テンプテッド」や「アワーグラス」がヒット。1981年にはソングライター,ディフォード&ティルブルックの2人がレノン&マッカートニーに匹敵すると米ローリング・ストーン誌に絶賛されています……ほんとかな。
烏丸がこのアルバムを購入したのは,久々に見た「ラスト・タイム・フォーエバー」という曲のプロモーションビデオがけっこう胸に染みたせいですが,これは,花畑で笑いころげる若い女のフィルムを年老いた男が見つめ,そのうちだんだん激昂して,最後には手にしたグラスを割ってしまう……という映像に,スクイーズの演奏風景がはさまれるというもの。白いピアノがだんだんぶっ壊されていくところなど,印象的といえば印象的,よくあるといえばよくある造りです。
歌詞は「終わった恋に今夜は眠れない,永遠に最後さ」とかいった,中身があるんだかないんだか,な内容で,メロディや曲の雰囲気はほぼ同時期にヒットした,クラウデッド・ハウスの「ドント・ドリーム・イッツ・オーバー」に似ているような気もします(クラウデッド・ハウスをご存知ない方は,こんなこと言われても困っちゃいますね)。
さて。
ではこのCDのどこが「ちょっと情けない」か。それは,ライナーノーツです。たとえば,次のようなあんばい。
1982年。
秋,スクイーズ,突然の解散。
バンド内部がバラバラだったのが原因でしたが,レイヴィスを含む何人かがアルコール中毒にかかっていたのもひとつの要因となったとか。
1983年。
アル中のギルソン・レイヴィスは酒を断ち,ドラマーからタクシーの運転手に転身しました。
1985年。
8月,『Cosi Fan Tutti Frutti』,発表。
セールス的には“おしゃか”。
1986年。
「次がダメだったら,さよならだ」とじっくり時間をかけてニューアルバムの制作に取りかかりますが,ミキシングを終える前に予算オーバー。
かくて,アメリカのカレッジとクラブで集金ツアーを敢行するハメに。
……などなど。
もちろん,結成して25年,思い立って買いにいけば極東の島国の小さなCD屋でもベストアルバムが見つかるほどのバンドです。これはライナーノーツの担当者,サマタマサト氏の諧謔と見るべきでしょう。
しかし,ギャグやユーモアではすまない本当に情けないCDも,世の中にはあります。それについては,明日。
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