『KYO』 たかしげ宙 原作,皆川亮二 作画/小学館(少年サンデーコミックススペシャル)
【闇を 引き裂く 怪しい悲鳴】
たかしげ宙原作,皆川亮二作画,要するに「スプリガン」のコンビニ寄る,じゃーなくてコンビによる(うう,ベタだ)推理短編集『KYO(キョウ)』ゲット。小学館,500円。
30代半ばより上の方なら,タケダアワーで「ウルトラセブン」の次に放送された「怪奇大作戦」という番組をご記憶であろうか。「科学捜査研究所(S.R.I.)」という民間組織が警察の委託を受け,怪談めいた説明のつかない難事件に科学捜査と推理,起動力を働かせて立ち向かっていく,なかなかよくできた円谷プロの特撮ドラマだった。子供向きにしてはあまりにも暗く重いストーリー,映像。牧史郎役の岸田森の演技が異様にシブく,トータス号というS.R.I.の車がかわいいのもポイントだった。ちなみにこの烏丸,テーマソングのソノシートはもちろん,欠番扱い(LD-BOXも回収)になった第24話もビデオでおさえてある(問題は,アナログレコードプレイヤーが手元にないことと,βのプレイヤーがいつ動かなくなるかだが……)。
さて,その往年の名作「怪奇大作戦」を狙ったとしか思えないコミック短編集が,この『KYO』である。主人公はIQ250(なぁんだ,烏丸のたった倍か)にして12歳で学位を3つ取っている天才少年・保科恭と,科学特捜課のお荷物刑事・久我山鏡。この2人が,次々と起こる怪事件,難事件に向かい,やがて久我山鏡の素性も少しずつ明らかになってくる……。
『スプリガン』1~3巻あたりの「おおー,そうくるか! この手があったか!」ほどではないが,個々の犯罪がなかなかよく練られており,また,1巻で完結というのがいさぎよくてよろしい(同じ皆川の『ARMS』は長すぎてちょっと……)。
ところで,この『KYO』,読み直して巻末の初出に驚いたのだが,なんと掲載誌は小学館の「小学六年生」! 今どきの御ガキ様ドモの読むモノはレベル高いのだなあ。をじさんにも見してくれい。
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