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2000/08/29

[非書評] Oの謎

Nimg933 【夏休みの感想文特別支援編】

 20世紀最後の夏休みも残すことほんの数日,宿題の自由研究,図画工作,感想文のでっち上げに追われる小・中・高校生の親御さんも少なくないことだろう。ここではそんなお父さんお母さんのため,1時間で仕上げられる感想文の便利な素材,O・ヘンリーをご紹介しよう。

 まず,作者の経歴から。
 O.Henry(1862~1910),アメリカの短編作家。本名はWilliam Sydney Porter。10代半ばで学校を退学,さまざまな職に就くが,オースティンの銀行勤務時に公金横領の罪で投獄され,獄中で執筆活動を始めた。出獄後はニューヨークに移り住み,「最後の一葉」「賢者の贈り物」など,13冊の短篇集,272の作品を発表した。イギリスのSaki(本名はHector Hugh Munro)とともに短編の名手として世界的に有名となったが,私生活は幸福とはいえず,高い評価を得たのも,死後,全集が刊行されてからだった。

 続いては,新潮文庫『O・ヘンリ短編集』(大久保康雄訳,全3巻)から何か適当な短編を読んでそのあらすじを書こう。「最後の一葉」「賢者の贈り物」の2作は有名に過ぎるので,できれば避けたい。新潮文庫のこの3冊は,必ずしも名訳とも思えないが,読みにくいというほどのこともないし,なにより廉価でかつ入手しやすい。
 なお,インターネットにアクセスできるなら,原文もあちこちで手に入る。英語の原文を添えれば,それだけでポイントアップ間違いなしだろう。

 さて,これだけではあまりにも安易なので,最後に以下のようなことを書き加えておこう。

「ところで,このO・ヘンリーの『O』が,なんらかのファーストネームを略したイニシャルではないのをご存知だろうか。つまり,この『O』はオニールでもオブライアンでもなく,全くの記号なのである。それは,作品だけを見てほしい,という作者のプロ意識の現れだったのだろうか,それとも……」

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